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スカートの風22

时间: 2020-07-26    进入日语论坛
核心提示:最大の権力機関としての入国管理局 日本人に知る人は少ないが、日本の入国管理局は在日外国人に大きな不満をもたらしている。ま
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最大の権力機関としての入国管理局

 日本人に知る人は少ないが、日本の入国管理局は在日外国人に大きな不満をもたらしている。まず疑いが先にあるとしか言いようのない対応ぶり、そして人を人と思っていないのではないかと言いたくなるような態度。在日外国人が集まれば口々にそうした感想をもらすことを、日本人はほとんど知ってはいない。
確かにあやしげな入国が横行する昨今、疑心暗鬼になることはわからないでもない。しかし、そのために正当な入国に対して発行すべきビザが発行されないといった事件があとを絶たないことも事実なのだ。
実際、私自身、入管の手続きのうるささには大いに迷惑をこうむっている者の一人だ。
ビザの期限が切れる一〇日前から書類作成に走りまわらなくてはならなくなり、出頭すれば面談までにたっぷり半日は待たされる。その上、ちょっとでも書類に不備があれば、また別の日に足を運ばなくてはならない。異国の生活に慣れることだけでも大変なのに、ビザ一つにあれこれと神経を遣わされ、またエネルギーを消耗させられるのでは、たまったものではない。とくに、落ち着いて学問にいそしもうとする本来の留学生にとっては無視できない障害となっている。
あるとき、私の住居が新宿歌舞伎町にあるということだけで質問ぜめにあったことがある。なんべん説明しても同じような質問が繰り返し続けられる。答えなければ時間がたつばかりだから、仕方なくまた同じことを答える。こうしてまったくの不毛な時間を延々と費やしたあげく、「まあ、大学の先生の推薦状が確かだから問題はないだろうが……」とのため息まじりの言葉があり、ようやくビザの発行となった。そこで「失礼」のひとこともないのだから、彼らは最低限の礼儀すら知らないと、多くの在日外国人たちに言われても仕方がないだろう。
私のように、疑う余地があるはずもない学生の立場でもこれだけの重圧を受けなくてはならない。とすれば、偽装結婚のために相手の男性と出頭するホステスたちに対しては、まさに遠《えん》慮《りよ》会《え》釈《しやく》のない言葉が浴びせかけられることは想像にかたくない。よほどの強い覚悟がなければとても耐えられるものではないだろう。
偽装結婚の場合は相手の男性と一緒に住むことはないのだが、彼女たちは入管の抜き打ち訪問に備えて、住居には必ず男もののシャツ、靴下、靴などをひととおりそろえている。事前に連絡があることもあるが、その場合には一日店を休み、偽の夫に来てもらって部屋で待機する。そこで入管の役人が何か不審な点でも見出すと、そのことについてビザの更新の折りにこまごまと詰《きつ》問《もん》されることになるから、彼女たちにはほんの少しの油断も許されない。不器用な女性が役人の誘《ゆう》導《どう》尋《じん》問《もん》にひっかかり墓穴を掘るはめになった例はいくつもある。
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