韓国の女たちの強い他者への依頼心は、もちろんホステスたちだけに特有のものではない。それはたとえば、渡航手段としての留学生ではなく、ほんらい勉強を目的として留学生となった女たちについても同じように言えることだ。日本の大学に留学する多くの韓国女性が、やがてホステスとなり、プロのホステス同様にお金持ちの愛人を目指すようになってゆくケースが非常に多いのである。
韓国はご存じのとおり、世界でもまれな大学進学率の高い国だ。日本以上に、われもわれもと大学進学を目指すのである。近年とくにその傾向が強くなり、大学の数は圧倒的に不足している。その上、試験日が統一されているために競争率が高く、入学事情は非常に悪くなっている。かつては、家が貧しいからと、大学進学を考えない人が多かったが、いまではかなりな無理をしてでも大学入学を希望する人たちが増えてきている。そのため、経済的な理由よりは、実力の点で大学に入れない人たちの増加が社会問題化している。
女性の場合は進学希望者が増えていると言っても、いまだ大学卒業者は全女性人口の二パーセントを占めるにすぎず、大学生に占める女性の割合は一〇パーセントといったところ。つまり、世界に冠たる大学進学率を誇るといっても、ようするにそれは男社会内部の問題なのである。
男尊女卑思想の根強い韓国で、しかも激しい競争率のもとでは、たった一割の女子大生は非常に恵まれた存在であり、それだけ若い女性にとっては羨《せん》望《ぼう》の的となる。かつては女性ならば女子大生しか着なかったGパンとTシャツを、女子大生ではない若い女たちがこぞって身につけるようになっている。明らかに、現代韓国の若い女性のなかには、女子大生への強いコンプレックスとともに、大きなあこがれが広がっている。
そこで、韓国の大学に入れそうにもない若い女性たちが日本の大学を目指すことになる。日本には大学がたくさんあるため、韓国の大学に実力で入れない者でも、容易に入学できる大学がいくつもあるからだ。ただ、日本の大学を卒業しても韓国ではほとんど社会的な価値はない。アメリカかカナダならば価値があるが、試験が難しいこともあるし、また韓国人はなかなか受け入れてもらえない。さらに入学できたとしても生活することが難しい。
もっとも、何事もお金があればなんとかなるのがこの世の中というわけで、ほんとうのお金持ちの娘はアメリカに留学していることが多い。したがって、日本の大学に娘を留学させる親はとりたててお金持ちではないし、また家族の生活を切り詰めてまで娘を日本の大学にやる気持ちはない。そこで、物価の高い日本に留学しようとする若い女性は、アルバイトをしながら大学に通うのが通例である。そして、そのアルバイトの多くが水商売なのである。
留学生の九五パーセントは専門学校の学生で、なかではブローカーの斡《あつ》旋《せん》する酒場でのアルバイトつきで日本へやってくる者が多い。残りの五パーセントが大学の学部の学生で、彼女たちの多くは焼き肉屋や喫茶店などのアルバイターとなるのだが、そうした仕事では時給七〇〇円から八〇〇円くらいだから、生活は相当に厳しいものとなる。一日中立ちっぱなしの仕事もそう楽なものではない。そこで仲間から聞かされるのは、酒場に行けばもっと楽な仕事でしかも四、五倍の収入が得られるということ。これは魅力である。一人、二人と酒場のアルバイトをするようになり、多くの学生たちがプロのホステスたちと同じような道をたどっていくことにもなるのだ。
韓国はご存じのとおり、世界でもまれな大学進学率の高い国だ。日本以上に、われもわれもと大学進学を目指すのである。近年とくにその傾向が強くなり、大学の数は圧倒的に不足している。その上、試験日が統一されているために競争率が高く、入学事情は非常に悪くなっている。かつては、家が貧しいからと、大学進学を考えない人が多かったが、いまではかなりな無理をしてでも大学入学を希望する人たちが増えてきている。そのため、経済的な理由よりは、実力の点で大学に入れない人たちの増加が社会問題化している。
女性の場合は進学希望者が増えていると言っても、いまだ大学卒業者は全女性人口の二パーセントを占めるにすぎず、大学生に占める女性の割合は一〇パーセントといったところ。つまり、世界に冠たる大学進学率を誇るといっても、ようするにそれは男社会内部の問題なのである。
男尊女卑思想の根強い韓国で、しかも激しい競争率のもとでは、たった一割の女子大生は非常に恵まれた存在であり、それだけ若い女性にとっては羨《せん》望《ぼう》の的となる。かつては女性ならば女子大生しか着なかったGパンとTシャツを、女子大生ではない若い女たちがこぞって身につけるようになっている。明らかに、現代韓国の若い女性のなかには、女子大生への強いコンプレックスとともに、大きなあこがれが広がっている。
そこで、韓国の大学に入れそうにもない若い女性たちが日本の大学を目指すことになる。日本には大学がたくさんあるため、韓国の大学に実力で入れない者でも、容易に入学できる大学がいくつもあるからだ。ただ、日本の大学を卒業しても韓国ではほとんど社会的な価値はない。アメリカかカナダならば価値があるが、試験が難しいこともあるし、また韓国人はなかなか受け入れてもらえない。さらに入学できたとしても生活することが難しい。
もっとも、何事もお金があればなんとかなるのがこの世の中というわけで、ほんとうのお金持ちの娘はアメリカに留学していることが多い。したがって、日本の大学に娘を留学させる親はとりたててお金持ちではないし、また家族の生活を切り詰めてまで娘を日本の大学にやる気持ちはない。そこで、物価の高い日本に留学しようとする若い女性は、アルバイトをしながら大学に通うのが通例である。そして、そのアルバイトの多くが水商売なのである。
留学生の九五パーセントは専門学校の学生で、なかではブローカーの斡《あつ》旋《せん》する酒場でのアルバイトつきで日本へやってくる者が多い。残りの五パーセントが大学の学部の学生で、彼女たちの多くは焼き肉屋や喫茶店などのアルバイターとなるのだが、そうした仕事では時給七〇〇円から八〇〇円くらいだから、生活は相当に厳しいものとなる。一日中立ちっぱなしの仕事もそう楽なものではない。そこで仲間から聞かされるのは、酒場に行けばもっと楽な仕事でしかも四、五倍の収入が得られるということ。これは魅力である。一人、二人と酒場のアルバイトをするようになり、多くの学生たちがプロのホステスたちと同じような道をたどっていくことにもなるのだ。