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スカートの風36

时间: 2020-07-26    进入日语论坛
核心提示:親友どうしで日本に渡った二人の女 夫の家を飛び出して友だちのところに身を寄せた彼女もまた、そうした不本意な結婚へと押し出
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親友どうしで日本に渡った二人の女

 夫の家を飛び出して友だちのところに身を寄せた彼女もまた、そうした不本意な結婚へと押し出された女の一人だった。が、そうした結婚はどこにでもあるごく普通のことだったから、彼女もあの流行歌のように、耐えていこうと思ったに違いなかった。しかし彼女は逃げ出した。それは、彼女を受け容《い》れてくれるだけの親友があったから——それ以外ではなかった。
彼女の友だちは頭もよく、学校での成績は常に一、二を争うほどで、日本で言う生徒会長をやったこともあったという。それでも、彼女には特別な縁故がなかったので一般の会社に入ることができず、洋服屋の店員になったのだった。が、給料が安かったので、なんとか転職したいと考えていたところ、幸い美人でしかも歌がうまかったために、ある酒場でお客のために歌う仕事にありつくことができて、最近、洋服店をやめたのだという。
それにしても、しがない酒場の歌手では、彼女をずっと住まわせてやれるだけのお金はない。でも、その友だちには親友の彼女を見捨てることもできなかった。そんなとき、友だちが酒場である噂《うわさ》を聞きつけてきた。日本に行けばなんとかなる——。
こうして二八歳になった二人の女は、一カ月の観光ビザを手に飛行機に乗り、日本へ着くとその足で新宿歌舞伎町へと向かい、すぐに採用されてホステスとなったのだった。それが半年前のことだったと彼女は話す。そしてビザの切れる一週間前に、なんとかブローカーの斡《あつ》旋《せん》で結婚ビザに切り換えることができたという。
ただ、友だちは六カ月の結婚ビザをもらうことができたが、彼女の場合は相手の男がしっかりした人物ではなかったため、三カ月のビザしかもらえず、ついこの前、すったもんだのあげく、なんとかあと三カ月更新することができたのだった。そして、まもなくその期限が来るのだが、更新できるかどうかわからないため、彼女はブローカーに、男の在職証明書や納税証明書の偽造を頼んだのだと言う。
彼女は、それが偽造だと発覚したらどうしようかと深刻に悩んでいた。
「もし私が韓国に帰されたとすれば、私は何をして食べていけばいいの、オンニ?」
何らの手助けもしてやることのできない私は、せめて彼女のために、「どうぞ結婚ビザの更新ができますように」とお祈りでもしてあげるしかなかった。
やがて彼女は「オンニにぜひ紹介するわ」と言って、歩いて五分もかからない近くに住んでいるというその友だちに電話した。やがて果物を抱えてやって来た彼女は、なるほど、なかなかの美人だった。揃《そろ》って立って私の方を見ている二人は、ほんとうに仲がよさそうに見えた。今度、私が仕事でお客さんを招待するときには、彼女の店に行って、得意だという歌を聞いてみたいと思った。
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