日本で働く韓国人ホステスで、韓国での水商売の経験がある者とない者の比率はほぼ半々である。あれだけ女の生き方に厳しい韓国で、どのようにして女たちが水商売にはいって行くかの、典型的なパターンを簡単にお話ししてみたい。
韓国で企業に勤めたいと考える場合、最も募集が多く、また縁故関係にもそれほどうるさくないのが製造工場である。韓国では、技術的な仕事にタッチする者は卑しい者とみなされ、エンジニアすら事務職の下に位置づけられるほどだから、製造工場の労働者は社会の底辺の層の子弟で構成されている。したがって、中卒者や高卒者のほとんどが、製造工場に就職することになる。彼らの月収は一二万ウォンから一五万ウォン(約二万四〇〇〇円から三万円)だが、これは事務職の半分ほどである。
このように、製造業は社会的にさげすまれるだけでなく給料も安い。また男女別々の職場であることも多く、しかも、より豊かな暮らしを約束してくれる事務職の男性と知り合うチャンスもないため、若い女たちには人気のない仕事だ。そのため、他に働き先を求められない女たちは、嫌々就職しているというのが正直なところ。これでは当然労働意欲を湧《わ》かそうにも湧くわけがない。
活発な気性で容姿もまずまずならば、洋服屋の店員や食堂の店員として働くこともできるのだが、娘時代の韓国の女の多くは、男の前に出ることすら恥じらいを感ずるような、無《む》垢《く》の心に包みこまれている。こうして製造工場は、十代から二十代はじめの、若い女たちの世界をあちこちで作ってゆく。
この「豊富な資源」を狙《ねら》ってヤクザが暗《あん》躍《やく》するのである。やさしい仮面をかぶって少女たちに近づく狼たちの手《て》練《れん》手《て》管《くだ》については、どこの国でもそれほど変わりはない。ただ、韓国の女たちが第一に考えるのが処女性の堅持と親孝行であり、また根強い美人コンプレックス、友だちや先輩への強い義理の感情など、彼女たち特有の性格を逆手にとるのが、韓国ヤクザたちの常《じよう》套《とう》手段である。
韓国の社会では、処女か処女でないかは、価値が一〇〇パーセントあるかそれともゼロかの違いである。いったん処女でなくなれば、戸籍と同じこと、あとは二回になろうが、三回になろうがなんの違いもない。この変わり身は、極端な処女性尊重の裏返しで、極端に激しいのが特徴と言ってよいかもしれない。そして、お金があればあるほど親孝行もできる——。
韓国で企業に勤めたいと考える場合、最も募集が多く、また縁故関係にもそれほどうるさくないのが製造工場である。韓国では、技術的な仕事にタッチする者は卑しい者とみなされ、エンジニアすら事務職の下に位置づけられるほどだから、製造工場の労働者は社会の底辺の層の子弟で構成されている。したがって、中卒者や高卒者のほとんどが、製造工場に就職することになる。彼らの月収は一二万ウォンから一五万ウォン(約二万四〇〇〇円から三万円)だが、これは事務職の半分ほどである。
このように、製造業は社会的にさげすまれるだけでなく給料も安い。また男女別々の職場であることも多く、しかも、より豊かな暮らしを約束してくれる事務職の男性と知り合うチャンスもないため、若い女たちには人気のない仕事だ。そのため、他に働き先を求められない女たちは、嫌々就職しているというのが正直なところ。これでは当然労働意欲を湧《わ》かそうにも湧くわけがない。
活発な気性で容姿もまずまずならば、洋服屋の店員や食堂の店員として働くこともできるのだが、娘時代の韓国の女の多くは、男の前に出ることすら恥じらいを感ずるような、無《む》垢《く》の心に包みこまれている。こうして製造工場は、十代から二十代はじめの、若い女たちの世界をあちこちで作ってゆく。
この「豊富な資源」を狙《ねら》ってヤクザが暗《あん》躍《やく》するのである。やさしい仮面をかぶって少女たちに近づく狼たちの手《て》練《れん》手《て》管《くだ》については、どこの国でもそれほど変わりはない。ただ、韓国の女たちが第一に考えるのが処女性の堅持と親孝行であり、また根強い美人コンプレックス、友だちや先輩への強い義理の感情など、彼女たち特有の性格を逆手にとるのが、韓国ヤクザたちの常《じよう》套《とう》手段である。
韓国の社会では、処女か処女でないかは、価値が一〇〇パーセントあるかそれともゼロかの違いである。いったん処女でなくなれば、戸籍と同じこと、あとは二回になろうが、三回になろうがなんの違いもない。この変わり身は、極端な処女性尊重の裏返しで、極端に激しいのが特徴と言ってよいかもしれない。そして、お金があればあるほど親孝行もできる——。