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スカートの風38

时间: 2020-07-26    进入日语论坛
核心提示:常軌を逸した処女重視の社会 処女性を重んじない国はほとんどないと思われるが、韓国のそれは徹底しているのだ。日本人に言って
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常軌を逸した処女重視の社会

 処女性を重んじない国はほとんどないと思われるが、韓国のそれは徹底しているのだ。日本人に言ってもまず信じてもらえないのだが、韓国の男は一般的に、結婚相手の女に処女かどうかを問いただすものである。ある任意抽出の調査では、「結婚相手は必ず処女でなくてはならない」と回答した男が八割を示している。そして、結婚後に処女でないと夫に判断されて破談となるケースも少なくない。そしてこれも日本人には信じられないことだろうが、この場合、男が被害者として世間から同情をかい、女はなんてあつかましいやつと非難の的になるということだ。
処女であるかないかを前にしては、美人だとか気だてがいいとかの問題はまるでかすんでしまう。何をおいてもいまだ男を知らない娘、それが第一条件である。したがって、結婚前に性体験のある女は、そのことをひた隠しに隠して結婚にのぞむわけだが、最後の手段として処女膜再生手術をする女はかなりの数に上るとみられる。韓国で処女膜再生手術がことのほか盛況なのは周知の事実である。
多くが見合い結婚だが、もし恋愛結婚をしたい場合は「初恋の人と結婚すること」が女たちの合言葉ともなる。なぜなら、まず恋愛をしただけで、もはや処女を失ったものと判断されるからだ。事実、私がそうだった。ある陸軍の若い士官とお互いに恋愛感情をもつようになってしばらく交際したのだが、先に述べたように、初恋はもろくも崩れてしまった。そのとき、親から「なんてことだ、お前はもう結婚できないよ」と言われたものである。
しかし私の場合などまだまだいい方だ。私の友だちには、いやしくも近代国家の市民ならばありうるはずもない、屈辱的な体験を押しつけられた女がいる。彼女は好きでもない男に騙《だま》されてセックスを強要され、抵抗したものの力つき、強《ごう》姦《かん》されるままに処女を失った。彼女には恋人があったので、それだけ悩みは大きかったが、泣きながら彼にそのことを打ち明けた。ところがその恋人は、いったん汚れた女とはつきあえないと彼女から離れて行った。
そこで両親はもはやこれしか道はないと、勝手に彼女を犯した男との結婚を決めてしまったのである。だれひとり彼女の立場になって考えてやる者もなく、絶望の淵《ふち》に落とされた彼女には、他に選ぶべき道などあるはずもなかった。それからの彼女は、石のように固い心の女になった。そして子供が生まれ、久しぶりに訪ねて行った私に、ポツッと「この子だけしか私にはないの」と語った。
処女重視の問題では、もうひとつ書いておきたいことがある。私は大学生活と重なりながら、四年間の兵役を経験している。韓国の軍隊にはほんの一握りの女性軍人たちがいるが、彼女たちは国家の軍事的意義に感じて軍人になるわけではない。密かに将来のファースト・レディを目指す者が多い。もちろん、射撃などの演習もやるが、それよりも女たちは事務仕事を中心に、いけばなや行儀作法の訓練にいそしむのである。
そして、この軍隊の入隊テストに処女審査があるのだ。処女でなければ入隊資格なしとされる。その当時の私は、なんの疑問ももたずに、このテストを受けて入隊した。
万事がこのような具合なのだ。したがって、処女ではない未婚の女が韓国で生きていく道は、酒場のホステスか売春婦しかないと言っても、決しておおげさではないと思う。日本の女性にこうした話をすると、「それじゃあ、まったく男の言いなりじゃないの」と言われる。まったくその通りである。しかし、そんなことを言っても何の意味もない。小さいころから、ずっと大切なものと暗示をかけられてきたものを失うことのつらさを考えて欲しい。
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