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スカートの風40

时间: 2020-07-26    进入日语论坛
核心提示:少女たちをママさんハウスに引き入れるテクニック ママさんハウスの経営者は、もと警察官かその妻であることが多い。外国人を相
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少女たちをママさんハウスに引き入れるテクニック

 ママさんハウスの経営者は、もと警察官かその妻であることが多い。外国人を相手にするには一流のホテルを利用する必要があるが、こうしたホテルでは売春のチェックが厳しく、逮捕される危険性も高い。そのため、裏の事情をよく心得ている警察官出身者がこの商売に手を出すことが多いのだ。
ソウルのチョンノサムガ(鐘路三街)に行ってみると、ママさんハウスが軒を連ねている。近くには、韓国の企業が外国のお客を招待するときには必ずといってよいほど利用する一流の料亭街がある。この地の利を生かして、ママさんハウスは外国人観光客を狙《ねら》うのである。この地は住宅街ではないが、一般住宅にもまだ時折見られる、古典的な瓦《かわら》葺《ぶ》きの屋根を見せる家があちこちに建っている。それらのほとんどはママさんハウスである。他にはイテウォンなどにも多く見られるが、表面的にはまったくただの下宿宿を装っているのがママさんハウスの特徴だ。
韓国の女は自尊心が高いので、一足とびにママさんハウスに来る者は少ない。そこで韓国のプロたちは、本業はブティックや美容院の店員で、たまの小遣い銭稼ぎに売春をしているに過ぎない、という体裁を彼女たちのためにつくっているのだ。
こうして少し売春に慣れてくると、次にはママさんハウスの女主人に紹介される。
「いままでお客さんを世話していたのは、ほんとは私じゃなくて別の人なのよ。紹介してあげるから、これからはその人を通してやってね」
そう言われて引き合わされるのが、ママさんハウスの女主人である。ママは彼女を美人だとほめたたえながら次のように言うのである。
「あなたならいいお客が取れるから、いくらでもお金を貸してあげられるわ。五〇〇万ウォン(一〇〇万円)までなら保証人も担保もなしでいいのよ。それに、私の亭主はもと警察官だからね、捕《つか》まることも心配しなくて大丈夫よ」
ひとたび身分不相応なお金を手にして知ってしまった贅《ぜい》沢《たく》の味、そして最大限にくすぐられる女の虚栄心。ほとんどの女たちは喜んでママからお金を借りるのだが、やがて、たまにお客を取る程度では、とても借金を返してはいけないことに気づいていく。
女たちがそろそろ困りはじめたころを見計らって、ママは女たちに声をかける。
「店員さんをやってると時間もないでしょうし、エネルギーもけっこういるでしょう? たくさんお客さんを回してあげるから、この仕事に専念したら? それにね、あんた、もっと親孝行しなきゃだめよ。はい、これで国の親御さんを喜ばしてあげなさい」
そう言ってママは、一〇〇万ウォンから二〇〇万ウォンを女たちに握らせ、「あとで返せばいいからね」とささやく。
この瞬間には、だれもが「なんて親切なママさんなんだろう」と心から感激してしまう。この世間のどこにも、いままでこんなに自分に親切にしてくれた人はいなかった——。心からそう思うのだそうだ。
このように、田舎から出てきた固い蕾《つぼみ》のような少女でも、また「お母さんのようにはなりたくない」と言って女の自立をめざした都会の少女でも、驚くほど短期間のうちに、プロの売春婦に身を転じてしまうシステムが、巧妙に形づくられているのだ。
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