私は通訳として韓日ビジネスの会合に出席する機会が多いため、日本の貿易会社のビジネスマンたちに事前に打合せに呼ばれることがしばしばある。そんな席で彼らは率直に韓国の印象を語る。たとえばあるビジネスマンが言う。
「韓国では女を抱かないとビジネスにならないんだ」
それに対して、韓国でのビジネス体験のない男が言う。
「それは言い過ぎでしょう」
すると、韓国でのビジネス体験のある男たちがいっせいに口を開く。
「それは君が韓国を知らないからだよ」
そして一人の男が説明をはじめる。
「女を抱かせるのは、単なる接待じゃないんだよ。それが彼らの礼儀なのであり、また女遊びをすることは、信用できる男の条件のひとつなんだよ。だから、女を抱かなかったために、顔に泥をぬられたと思われたり、信用されなかったりして、取引がうまくいかなかった例がたくさんあるんだぜ」
「はあ、それは知りませんでした……」
したがって、日本でも接待には女を使わなくてはならなくなる。こうして、いつまでたっても、「韓日ビジネスに女は不可欠」の常識がなくならないのだ。
短い期間でたくさんの仕事をこなさなくてはならない国際ビジネスマンたちにあっては、外国に出張に行ったら、手早くビジネスライクに仕事を済ませ、ホテルでゆっくりと休養をとって明日に備えたいところだ。しかし韓国の企業人たちはそれを許さない。韓国人にとってお客さんを一人で寝させるなど、まったく礼を失したことなのだ。
ひととおりビジネスの話が終わると、では食事でも、となるところは日本と同じだが、案内された車のなかにはすでに女がいるのだ。そして、そっと「気に入ったら今夜は彼女を連れて行ってください」と耳打ちされる。そこで辞退したとすれば、その女が気に入らないからだろうと思われて、また別の女が用意される。「女はいらない、一人で寝たいのだ」と言おうものなら、大きな不信感を抱かれることになるだろう。
韓国のホテルにはほとんど「シングル」の部屋がないし、そもそもシングルベッドが置かれていない。ビジネスマンたちが商用で利用することが明らかなホテルでも、必ず男女が一緒に寝ることを前提に部屋が用意されている。
私が通訳として、ある韓日の企業の商談に出席したとき、前夜来日した韓国のビジネスマンが、席につくなりこう言った。
「昨晩はよく眠れませんでしたよ」
日本のビジネスマンは、「それはいけませんね」と軽い同情を表してすぐに会議をはじめていた。私はピンときたので会合の後で日本人ビジネスマンに聞いてみたところ、やはりその韓国人は、女をセットされないシングルルームをあてがわれていたのだった。
「韓国では女を抱かないとビジネスにならないんだ」
それに対して、韓国でのビジネス体験のない男が言う。
「それは言い過ぎでしょう」
すると、韓国でのビジネス体験のある男たちがいっせいに口を開く。
「それは君が韓国を知らないからだよ」
そして一人の男が説明をはじめる。
「女を抱かせるのは、単なる接待じゃないんだよ。それが彼らの礼儀なのであり、また女遊びをすることは、信用できる男の条件のひとつなんだよ。だから、女を抱かなかったために、顔に泥をぬられたと思われたり、信用されなかったりして、取引がうまくいかなかった例がたくさんあるんだぜ」
「はあ、それは知りませんでした……」
したがって、日本でも接待には女を使わなくてはならなくなる。こうして、いつまでたっても、「韓日ビジネスに女は不可欠」の常識がなくならないのだ。
短い期間でたくさんの仕事をこなさなくてはならない国際ビジネスマンたちにあっては、外国に出張に行ったら、手早くビジネスライクに仕事を済ませ、ホテルでゆっくりと休養をとって明日に備えたいところだ。しかし韓国の企業人たちはそれを許さない。韓国人にとってお客さんを一人で寝させるなど、まったく礼を失したことなのだ。
ひととおりビジネスの話が終わると、では食事でも、となるところは日本と同じだが、案内された車のなかにはすでに女がいるのだ。そして、そっと「気に入ったら今夜は彼女を連れて行ってください」と耳打ちされる。そこで辞退したとすれば、その女が気に入らないからだろうと思われて、また別の女が用意される。「女はいらない、一人で寝たいのだ」と言おうものなら、大きな不信感を抱かれることになるだろう。
韓国のホテルにはほとんど「シングル」の部屋がないし、そもそもシングルベッドが置かれていない。ビジネスマンたちが商用で利用することが明らかなホテルでも、必ず男女が一緒に寝ることを前提に部屋が用意されている。
私が通訳として、ある韓日の企業の商談に出席したとき、前夜来日した韓国のビジネスマンが、席につくなりこう言った。
「昨晩はよく眠れませんでしたよ」
日本のビジネスマンは、「それはいけませんね」と軽い同情を表してすぐに会議をはじめていた。私はピンときたので会合の後で日本人ビジネスマンに聞いてみたところ、やはりその韓国人は、女をセットされないシングルルームをあてがわれていたのだった。