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スカートの風47

时间: 2020-07-26    进入日语论坛
核心提示:旅行嫌いの韓国人 前にも述べたが、韓国のホステスたちは電車はあまり利用せず、ほとんどはタクシーを利用する。それはひとつに
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旅行嫌いの韓国人

 前にも述べたが、韓国のホステスたちは電車はあまり利用せず、ほとんどはタクシーを利用する。それはひとつには、電車やバスに乗るのは「みっともない」という見栄からだが、もうひとつは、韓国人たちが生活環境から離れた地域に出かける習慣があまりなかったからでもある。
したがって、旅行を楽しむような習慣もなく、それだけ観光開発が日本のようにすすんでいない。ホステスたちが休みの日にどこに出かけるでもなく、友だちどうしで花札に興じたりサウナで過ごしたりするのも、そうした国民性をよく表している。
狭い国土のなかで、慶尚道《キヨンサンド》派と全羅道《チヨンラド》派とが激しく対立し、それが政治党派の基盤になるほどの国だ。かりに、全羅道に他の地域の人、たとえば慶尚道の人が生活しようとすれば、徹底的なよそ者扱いを受け、あらゆる関係から排除されることを覚悟しなければならない。各地方から人々が集まるソウルでも、たとえば慶尚道出身が経営する会社には、全羅道の出身者はほとんど入ることがない。もちろん、その逆も同じである。
血縁の次に重視されるのがこの地縁であり、出世するのも個人の能力よりは自分を引き上げてくれる同郷の上司しだいとなる。それはビジネスマンも国家公務員も変わることはない。入社の際にも、経営者や幹部の同族の次に同じ地方の出世者が優先されるから、いきおい同族、同郷のグループとのつきあいが出世の最大の要点となる。
全羅道で有権者の九〇パーセントが金大中《キムデジユン》を大統領に選ぼうとするのも、その政治姿勢や経済政策がどうかという以前に、同郷だからこそのことである。またここで日本と比較されることを防止するために言っておけば、彼らは日本の政治家のように、ことさらに出身地への利益導入を図ることによって支持されているわけではない。ともかくも、他の地域出身のやつに大統領をやらしてなるものかという思いが第一なのである。
韓国では、地方から他の地方への人口流動はきわめて少なく、地方人が動く先のほとんどはソウルである。しかし、逆にソウルの人が地方へ出ることはまずない。ソウルの都会人たちにとっては、地方についてはほとんど知らないのが、カッコいいお坊ちゃんでありお嬢さんである。それで世間知らずだと非難されることはない。
韓国人がこのようにほとんど動くことがないため、私にしてもそうだったが、ソウルから飛行機に乗れば一時間もかからないプサンなのに、あたかも地球の裏と表ほどの距離にあると錯覚してしまう。そのため、地域間に公的な信頼感もなく、縄張り意識だけが突出して、知らないところに行けば、すべてを敵と感じて警戒することになる。
これは、歴史的に外部からの侵略を受け続けてきたところから、外部を敵視し、外部へ出ることに臆《おく》病《びよう》になり、外部との接触に不安を感じる文化が持ち伝えられてきて、それがいまだに習慣として残っていることの不幸である。
韓国人のあくなき自己正当化へのこだわりも、プロセスを軽視し結果だけを尊重する意識も、こうした習慣と無縁ではない。旅行をして価値の多様性を学び、AからBへと移りゆくプロセスを楽しみ、またその体験を素直に貴重なものと自分の心に受けとめてゆくことのできる日本人は幸せである。
士農工商という身分制度も、移動の自由を規制するために設けられた関所の制度も、そのたてまえの裏でけっこう自由だったのが、日本の江戸時代の実態だったと聞く。こうした歴史的な素地の違いは、現代に大きな韓日社会の格差を生むことになった、無視できない要因であるように思う。
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