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スカートの風49

时间: 2020-07-26    进入日语论坛
核心提示:親友ヨンスギの行方を追って 社会のどこかに生まれた、小さな透明な輝きが、しだいに社会全体へと波紋のように広がっていく風景
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親友ヨンスギの行方を追って

 社会のどこかに生まれた、小さな透明な輝きが、しだいに社会全体へと波紋のように広がっていく風景は韓国には見られない。水面ではたくさんの小さな渦が、互いにぶつかり合うようにしてひしめきあっているからである。日本の水面の静けさは、いつもだれかから投げかけられる波紋を待っているかのようだ。
日本と韓国は、単一民族国家でありながら経済発展を遂げることを可能にした、世界でただ二つの国家だといわれる。しかし、その単一性の意味は、どこかで大きく違っている。五百有余年にわたる李王朝下の韓半島、その支配の倫理が、いまだ亡霊のように韓国人の意識に巣くっている。確かに私のなかにも「それ」はいる。そして、「それ」は私たちの内側から私たちをとらえている。
国家が強権を発動するから私たちが不自由だと言うよりは、それ以前にすでに私たち自身が亡霊の支配を受け容《い》れてしまっている——。私は、韓国の単一性をとりあえずこのように考えてきた。
こうした思いは、とくに、あるきっかけから私の親友がたどった人生に接して、理屈よりも先に感覚的に感じざるを得ないことでもあった。少し長くなるがその話をしてみたいと思う。
大学のときに同じ学生でヨンスギという親友がいた。彼女は語学が得意で勉強熱心な、実に聡《そう》明《めい》な女性であり、また可愛《かわい》らしい笑顔が男子学生の人気の的でもあった。私はそうしたヨンスギに密《ひそ》かな嫉《しつ》妬《と》を感じながらも、彼女が私の親友であることが自慢だった。
そんな彼女は、大学卒業を控えたある日、私たち友だちの祝福を受けながら、韓国で有名な繊維会社のビジネスマンに見初められて結婚した。初恋の人との結婚という幸福に恵まれた彼女を、私はいつも羨《うらや》ましく思っていた。愛するご主人の帰宅を待ちながら家事にいそしむ生活になんの不満もないと言う彼女は、私たち韓国の女にとっては、それだけで得難い幸運な人生を手にしたことを意味していた。
やがて彼女は女の子を産んだが、その後私が日本に来てしまったこともあって、ずっと会う機会をもてないまま年月が経《た》ってしまった。
五年ほど経って、私がたまたま韓国に帰省したときに、彼女が離婚したらしいという噂《うわさ》を耳にした。あの幸福そうだったヨンスギが……。私はいてもたってもいられなくなって、すぐさま汽車に飛び乗ってヨンスギの実家へ向かった。
彼女の実家にいたのは年老いた母親とヨンスギの娘だけだった。母親にヨンスギがどこにいるのかをたずねると、最近勤めに出ていてここにはいないと言う。何はともあれ詳しい様子を聞きたかったので、私は持ってきた果物を母親に渡して中に入れてもらうことにした。
しかし母親の口は重く、どうにも要領を得ない。それでもしつこく聞いて二時間も話しこんでいると、母親はいまにも泣き出しそうな顔をして話してくれた。
「酒場で働いているのよ。チョンノサムガという所の家に下宿してね」
なんということだ、ヨンスギはママさんハウスにいる——。
まさかとは思ったが、彼女に限ってあるはずがないと信じていただけに、はっきり「そうだ」と聞かされて、戦《せん》慄《りつ》に似た感触が私の身体を走った。次には心臓がドキドキと高鳴りはじめた。
ともかくも彼女の居どころを聞き出した私は、すぐにでもヨンスギに会いたくなって帰ろうとしたが、母親は「食べていって下さい」と、私が持ってきた果物を切りはじめた。「ヨンスギにいいお客さんがつくようにとね、先にいただき物を神さまにお供えしました。だから出すのが遅くなりましたが、どうぞ食べていって下さいな」
もらい物やたまの御《ご》馳《ち》走《そう》などは必ずそうして食べる習慣だという。
老婆は、確か今年五つになるはずのヨンスギの娘を膝《ひざ》に座らせ、うつむいたまま私に果物をすすめた。果物にはかすかに香《こう》のかおりが移っていた。
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