こうした「目先の利益」を追う韓国人の金銭感覚は、経済制度の近代化をさまざまな面で押しとどめてしまっている。そのため、市民生活の経済的な合理性では理解できないような制度も生まれる。
最近人気を集めている生命保険の制度を例にとってみよう。
これは、三カ月間一定の金額を支払い続ければ、その十倍程度までの金額を借りることができるというものである。不動産を買う場合に限られているが、かりに毎月五〇万ウォンずつ三カ月支払うとすれば、五〇〇万ウォンまで借りることができるのだが、利子は年率一五パーセントである。したがって、毎月の利子が六万二五〇〇ウォンで保険料が五〇万ウォンだから、毎月五六万二五〇〇ウォンを、満期が来るまで支払い続けなくてはならない。
日本人ならば、それだけの支払いをするつもりがあるのならば、なぜ貯金をしないのかと疑問に思うだろう。毎月五〇万円ずつ貯金すれば一〇カ月で五〇〇万円になるから、一〇カ月の間貯金を続ければいいのに——と。しかし韓国人は、すぐに五〇〇万ウォンを手にしたいと思う。そこで、利子と保険料をずっと支払い続けるばかばかしさを感じることもなく、こうした保険制度を利用しようとするのである。
いずれにしても、韓国では金融制度はあまり発達していない。クレジットカードはあるにはあるが、専門会社も少なく、銀行の子会社が細々とやっている程度であまり普及していない。もちろん、国民の所得が安定していないからである。最も普及しているのは国民カードである。国民銀行に一〇〇万ウォン以上の普通預金口座があれば、一年後にはだれにでもカードを作ってくれる。
しかし国民カードは、普及すればするほど、その制度はガタガタになっていく。カード発行の一年後には預金をおろすことができるので、財政基盤のないカードの空利用が相次ぎ、利用するだけ利用して姿をくらますケースが多発しているのである。
所得の調査をきちんとやればそんなことにはならないのにと思われるだろうが、個人の所得調査を税務署がやろうとしても困難が多く、銀行が行なうことはまず不可能に近いのが韓国なのである。
最近人気を集めている生命保険の制度を例にとってみよう。
これは、三カ月間一定の金額を支払い続ければ、その十倍程度までの金額を借りることができるというものである。不動産を買う場合に限られているが、かりに毎月五〇万ウォンずつ三カ月支払うとすれば、五〇〇万ウォンまで借りることができるのだが、利子は年率一五パーセントである。したがって、毎月の利子が六万二五〇〇ウォンで保険料が五〇万ウォンだから、毎月五六万二五〇〇ウォンを、満期が来るまで支払い続けなくてはならない。
日本人ならば、それだけの支払いをするつもりがあるのならば、なぜ貯金をしないのかと疑問に思うだろう。毎月五〇万円ずつ貯金すれば一〇カ月で五〇〇万円になるから、一〇カ月の間貯金を続ければいいのに——と。しかし韓国人は、すぐに五〇〇万ウォンを手にしたいと思う。そこで、利子と保険料をずっと支払い続けるばかばかしさを感じることもなく、こうした保険制度を利用しようとするのである。
いずれにしても、韓国では金融制度はあまり発達していない。クレジットカードはあるにはあるが、専門会社も少なく、銀行の子会社が細々とやっている程度であまり普及していない。もちろん、国民の所得が安定していないからである。最も普及しているのは国民カードである。国民銀行に一〇〇万ウォン以上の普通預金口座があれば、一年後にはだれにでもカードを作ってくれる。
しかし国民カードは、普及すればするほど、その制度はガタガタになっていく。カード発行の一年後には預金をおろすことができるので、財政基盤のないカードの空利用が相次ぎ、利用するだけ利用して姿をくらますケースが多発しているのである。
所得の調査をきちんとやればそんなことにはならないのにと思われるだろうが、個人の所得調査を税務署がやろうとしても困難が多く、銀行が行なうことはまず不可能に近いのが韓国なのである。