韓国では脱税がほとんど常識化している。所得税がかなり高いために、企業である程度の地位にあるものには、ほぼ給料と同額の金銭を裏給与として支給することが一般的に行なわれている。そして多くの場合、男たちはこの裏給与を女遊びの費用にあてるのだ。この裏給与が酒場の女たちの収入になる。そして、彼女たちは給料をもらわないチップ生活者であるから、みんながみんな、所得をゼロとして税務署に申告している。
このような裏給与の存在、数多くのチップ生活者の存在、また税務署員に対してはワイロが効くし、韓国では領収書を発行したり受け取ったりする習慣がない。こうしたことから、韓国では個人の所得をつかむことは不可能に近い。そのために生じる韓日ビジネスのトラブルもかなり多いと言われる。
日本では取引先の信用調査を行なうことが常識だが、韓国の企業にも同じようにやろうとしても、まるで実態が把握できないために驚くことになる。個人にしても、相手にどのくらいの所得があるのか、またどのくらいの財産があるのかがまるでわからない。興信所で調べても、税金を検討しても、まるでつかむことができない。そのため、韓国では相手との対話をとおしながら、見当をつけなくてはならない。そこで、話がうまいこと、要領のいいことが世渡りの大きな条件ともなるのだ。
こんな状態では取引の信用というものが成り立たない。そこで、韓国人たちは古い時代の信用制度をいまだに踏襲するのである。それが「ケー(契)」という制度だ。日本で言えば「たのもし講」あるいは「無尽講」に相当する。つまり、信頼できる仲間が集まってお金を出し合い、それをプールしておき、必要なときにメンバーへの貸し付けなどに利用する、伝統的な民間金融制度と言ったらよいだろう。ただ、趣旨は相互の扶助であるものの、なかにはねずみ講のようなあやしげなものも多い。
このケーの結びつきの条件が、同族、同郷、同校などである。市民としての関係よりもこうしたつながりにある間柄を信じ、知らない人との関係では騙《だま》されることを極度に恐れる。したがって、銀行よりケーを信頼し、いつまでたっても人々の間に近代的な経済観念が育たないのである。
このような裏給与の存在、数多くのチップ生活者の存在、また税務署員に対してはワイロが効くし、韓国では領収書を発行したり受け取ったりする習慣がない。こうしたことから、韓国では個人の所得をつかむことは不可能に近い。そのために生じる韓日ビジネスのトラブルもかなり多いと言われる。
日本では取引先の信用調査を行なうことが常識だが、韓国の企業にも同じようにやろうとしても、まるで実態が把握できないために驚くことになる。個人にしても、相手にどのくらいの所得があるのか、またどのくらいの財産があるのかがまるでわからない。興信所で調べても、税金を検討しても、まるでつかむことができない。そのため、韓国では相手との対話をとおしながら、見当をつけなくてはならない。そこで、話がうまいこと、要領のいいことが世渡りの大きな条件ともなるのだ。
こんな状態では取引の信用というものが成り立たない。そこで、韓国人たちは古い時代の信用制度をいまだに踏襲するのである。それが「ケー(契)」という制度だ。日本で言えば「たのもし講」あるいは「無尽講」に相当する。つまり、信頼できる仲間が集まってお金を出し合い、それをプールしておき、必要なときにメンバーへの貸し付けなどに利用する、伝統的な民間金融制度と言ったらよいだろう。ただ、趣旨は相互の扶助であるものの、なかにはねずみ講のようなあやしげなものも多い。
このケーの結びつきの条件が、同族、同郷、同校などである。市民としての関係よりもこうしたつながりにある間柄を信じ、知らない人との関係では騙《だま》されることを極度に恐れる。したがって、銀行よりケーを信頼し、いつまでたっても人々の間に近代的な経済観念が育たないのである。