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スカートの風70

时间: 2020-07-26    进入日语论坛
核心提示:家族の情愛と目に見える愛の形 女が男より価値が低いからといって、生まれた女の子を家族が可愛《かわい》がらないということは
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家族の情愛と目に見える愛の形

 女が男より価値が低いからといって、生まれた女の子を家族が可愛《かわい》がらないということはない。可愛いものはやはり可愛いのである。とくに結婚した女たちにとっては、まず子供が唯一の生きがいとなるため、例外なく子供を溺《でき》愛《あい》する。
韓国の家族は普通、大きなひとつの布団に家族全員で寝る。日本のように、子供から大人まで一人用の布団に別々に寝るのではなく、ダブルベッドほどの布団に夫婦と小さい子供が一つになって寝るのである。母親はこの布団で子供を抱き抱えるようにして添い寝をするのが習慣で、なかには小学校を卒業するくらいまで続ける親もある。韓国の家族の情愛の深さも、ひとつにはこうして養われるのだが、この習慣は家族間にプライバシーを尊重する意識や子供の自立意識が育ちにくくなる大きな要因でもある。
家族主義、同族主義、地域主義を中心にめぐる社会では、多くの社会行為がそれら仲間の紹介、口きき、手づるといったルートで行なわれるから、社会的な自立精神を養おうという意識はどうしても希薄になる。そのため、依頼心の強い人格に育つことになり、社会に出れば当然のごとく、血縁や地縁の関係にもたれあいながら生きるのである。
子は宝であるが、それは親の所有する宝であるから、子供に関しては何から何まで親が干渉することになる。こうして、宝を磨き他人の宝との光り具合のしのぎあいがはじまる。たとえば、少しでもゆとりのある家では、母親たちは子供たちにはできる限り有名ブランドの服を着せるようにする。私は帰省した折りに、東京のバーゲンセールで子供服をたくさん買って行き、子供のいる親《しん》戚《せき》にドサッとプレゼントして、大いに迷惑がられただけでなく、ずいぶんといやみを言われたことがある。「あなた、日本に行って少しおかしくなったんじゃないの? それとも私の子供たちを可愛いと思ってないの」と。
家族の情愛や親子の愛を大切にするのはどこの国でも同じだが、韓国の場合はそれを、目に見える物質的なもので示さなくては意味のないこととされる。言葉や態度はもちろんのこと、何らかの物質的な与え合いをより重視するのだ。この価値観はまさしく、見るべき無形文化財をほとんど持たない、李氏朝鮮文化の根本にあるものだと思う。
日本の同族や同郷の関係は、韓国と比較すればごくゆるやかなものであり、明らかに封建的な規制からの脱却を遂げた、ほのぼのとした愛着とも言うべき「なごり」と感じられる。
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