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スカートの風133

时间: 2020-07-28    进入日语论坛
核心提示:自分をみじめにしたい韓国人韓国人の恨を嘆く情緒は、音楽や文学にも特徴的だが、一般の人びとの間では、もっぱら歌謡曲に目立っ
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自分をみじめにしたい韓国人

韓国人の恨を嘆く情緒は、音楽や文学にも特徴的だが、一般の人びとの間では、もっぱら歌謡曲に目立っている。日本の演歌が韓国人に人気があり、また韓国の歌謡曲が日本の演歌の影響を大きく受けているのも、演歌のリズムが恨をのせるのにはピッタリだからである。
韓国の民謡や雑歌のリズムにタリョン(打令)というのがある。一定の節回しを少しずつ変化させながら、何度も繰り返して歌うものだ。そのなかに身《シン》世《セ》タリョンというのがある。これは、自分の身の上や不幸な運命の歌物語のようなもので、半分節をつけて歌い半分物語るようにして演ずるのである。まさしく恨の表現だと言えるだろう。
自分が現在置かれている運命だとか自分の過去の不幸を物語にして、「ああ〜、私の人生は〜」と節をつけては、友だちの前で、また一人で、恨のタリョンを楽しむのである。
ある程度気持ちが通じると思える相手とは、お互いの不幸を話し合い、そこから仲良くなってゆくのが韓国人である。そのため、日本の男性が、韓国の女の不幸話に感じて取り込まれていくことが珍しくない。
韓国人ホステスは相手の男をある程度気に入れば、自分が陥っている現在の不幸をしきりに話そうとする。日本の男は、日本の女からそんな話を聞くことがほとんどないようだ。そこで男たちは、「この女は自分にだけほんとうのことを素直に語ってくれた」と感動し、その心持ちにほだされてゆくのである。
「こんな仕事は自分は嫌なのだけれども、家のために仕方なくしているのよ」
家計を支えるために、弟を大学にやるために、離婚してしまい子どもを育てるために……。こうして彼女たちは、いかに自分が不幸であるか、誰か助けてくれる人がいるならば、すぐにでも仕事をやめたいということを、涙を流して話すのである。これが、感情的に日本の男の気持ちをつかまえる、大きな武器となっている。
こんな話をある韓国クラブのママから聞いた。
場違いだとは思いながらも、話のタネにと韓国クラブに顔を出してみた安サラリーマンが、一人のホステスの不幸話にいっぺんで感動し、次から次へと預金を下ろしては彼女にみつぎ、ついに自分の結婚資金から住宅資金まで、全財産を使ってしまったという。
また若い男性からこんな手紙をいただいたこともある。
韓国旅行で入った酒場で、一人のホステスから、それは不幸な身の上話を聞かされた。いつか必ずまた来るからと別れたが、彼女は日本ではまずいないような純真な心を持っている。そんな彼女にまた会いたくなって、再び韓国へ行った。でも、その店に彼女はいなかった。どんな所を探せば会える可能性があるか教えて欲しい。自分はなんとかして彼女を助けてあげたいと思っている。そういう内容だった。
しかし、彼女たちは決して、男を口《く》説《ど》くための手段だからということだけで話そうとするわけではない。そのときそのとき、自分の心をあげたいと思う相手に対して、そうした話をするのである。
外部から常に侵略を受けてきた民族だからそうなのか、韓国では、社会が安定することはかえって不安な情緒を醸《じよう》成《せい》させることになってしまう。何かが、自分自身をみじめな状態に置きたがっているのだ。
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