日本にいる韓国人ホステスの八〇パーセントが美容整形をしていると言われる。日本で成功した彼女たちを追うようにして、彼女たちを相手に商売をしようと日本にやって来る韓国人が年々増え続けている。そうした一群のなかに、韓国の整形外科病院に勤めていた看護婦たちがいる。
彼女たちはもちろん医者ではない。当然、日本の医師の資格を持つことなどのない、一介の看護婦に過ぎない。しかし、彼女たちは見よう見まねで知った技術を手に、ホテルなどに陣取ってモグリの整形外科手術に腕をふるうのだ。
たくさんの韓国人ホステスが彼女たちから整形手術を受けている。話を聞き、私は野次馬根性から現場に行ってみたことがある。
手術を受ける者はホテルのベッドに寝かせられる。偽医者は皺《しわ》をとるコラーゲンを入れたり、メスで二重瞼《まぶた》をつくったり、鼻にシリコンを入れるなどの手術を手早くこなしてゆく。何人もの女たちが、手術をまぢかに見ながら、自分の順番を待っている。一日に四、五人ほどの患者を消化するとのことだった。
手術料は日本の整形外科よりも高い。しかし、韓国の女たちは、同国人の気安さがあり、言葉が通じることが魅力で、多くは友だちにすすめられて出かける。なんでも友だちと一緒にやるのが仲間では重要な問題だから、自分は日本の病院に行くといえば仲間外れになってしまう。
もちろん、日本の美容整形の技術が世界的に高いことは韓国人も知っている。また、手術を行なう者が、本職の医者ではなく看護婦あがりの者だということも知っている。さらに、そのため事故が多いことも、よく知られている。それでも、同国人だという安心感が何よりも優先してしまう。韓国人はとくにそうである。
日本にやって来るそれら「美容整形外科医」たちは、十五日間の観光ビザで、一日平均五人、一人当たりの料金が平均三十万円〜四十万円で十日ほど働き、だいたい二千万ほどを稼いでゆく。