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スカートの風179

时间: 2020-07-28    进入日语论坛
核心提示:父につくして先に、韓国では家族(主義)が社会を攪乱していると言った。そのため韓国では、社会の一員として生きようとする個人
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父につくして

先に、韓国では家族(主義)が社会を攪乱していると言った。そのため韓国では、社会の一員として生きようとする個人が、家族の犠牲になってしまうケースがたくさんある。その典型的な例をお話ししてみたいと思う。
日本で働く韓国人ホステスのKさんは、韓国にいるときは、二人の弟と中小企業を経営する父親、それに子どもへの愛を惜しみなく注ぐ母親との五人で幸せに暮らしていた。
彼女が二十歳のとき、父親の会社が不渡手形を出して倒産してしまった。韓国では不渡手形を出すことは犯罪であるため、父親は刑務所へ入ることになってしまった。突然に収入の道を絶たれた母子三人を支えるため、Kさんは恥をしのんでホステスになり、なんとか父のいない家計を支えた。
彼女が美人だったからだろう、酒場では人気を博し、大きなお金を稼ぐことができた。彼女は郊外に家族のために住む家を買って父の出所を待った。やがて、父が出所すると、彼女は父に事業資金を出してあげ、父親は不動産会社をはじめた。
しかし、父の会社はうまくいかずに、借金が積み重なって大きな負債を抱えることになってしまった。そして、ついに彼女の働きで手に入れた家も土地もすべてを売り払い、家族は小さなアパートへと引っ越すしかなくなってしまった。しかも、弟たちはまもなく大学へ行かなくてはならない。
あくまで家族を支え、父親への孝行を喜びとする彼女は、躊《ちゆう》躇《ちよ》することなく、もっとたくさんの収入を得るためにと、日本へ渡ってホステスになったのである。
Kさんの美《び》貌《ぼう》は日本でも大いにもてはやされることになり、競争のような形で大変なお金持ちのパトロンに射止められた。彼女はパトロンからのお金をせっせと家族のもとに送り続けた。その結果、父の借金を返してあげ、新たな事業資金も出してあげることが出来た。さらには母にも店を出してあげたし、家族のために三〇平方メートルのマンションも買ってあげたのである。確かに相当の財産のあるパトロンだったのだろう。
母の店がうまくいき、その収入で、実家はようやく自立することができるようになり、彼女は大きな喜びを感じることができた。
しかし、そこまで娘に面倒を見てもらって、彼女の父はすっかり仕事に精を出すことをしなくなってしまった。母の稼ぐ収入で十分食べていけるのにもかかわらず、父からは、また事業をやるからと言っては、遊びのためのお金を要求してくる。また、いまのマンションでは狭いと言ってくる。うんざりしながらも、父が喜ぶことが自分の喜びと感じ、マンションを大きなものに代えてやり、二人の弟たちの学資もすべて自分が出してやった。
しかし、いくらあげてもきりがないのである。父は延々と、いつまでもお金を要求してくる。
「なんて親かと思うでしょ、実際いやになっちゃうんです」
Kさんはそう自《じ》嘲《ちよう》しながらも、これからもずっと助けてあげたいと言うのである。
家族を助けているということで彼女は力を出していることができる。恐らく、父がもう十分だと言って来たとすれば、彼女はとたんに生きる張りを失い、これから何のために自分が生きたらよいのか、わからなくなってしまうはずである。
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