交通違反も賄賂で逃げられるから、韓国でクルマを運転するときには、いつもなにがしかの現金を持っていることに気をつけることになる。警官の立っている場所がひとつの権利として取り引きされることも多い。交通量の多い交差点などの権利金は最も高い。もちろん、そんなことが法律で許されるわけはないのだが、きまじめに法律通りにやろうとすると、「なんとがんこな」と仲間外れになるのが韓国なのだ。
家庭のなかでの小さな仕事、たとえば水道が故障したときなど、修理する会社への支払いとは別に、直しに来た人にお金をあげるのも常識である。生活のすみずみでお金が必要になってくるのが韓国の社会である。
これもある日本人の韓国での体験談である。
クルマに乗って駐車場に入った。あちこちに空きがあるのに、窓口の者は予約制だからと言って駐車させようとしない。そこで押し問答をしている間、ベンツなどの高級車がどんどん止まってゆく。どこにも予約制などと書いてないので不思議に思って、後で知り合いの韓国人に聞いたところ、「ああ、それは、常々、窓口の従業員に賄賂をやっておいてね、いついつ行くから場所をとっておけとやっているのさ」と当然な顔をしていたという。
お金がなくては実際の生活がとても不便である。水道が壊れたときにも、以前に直してもらったときに賄賂を渡してあれば、すぐに飛んできてくれる。が、賄賂を渡してなければなかなかやってこない。そこで、仕方なくなんでもかんでも賄賂を渡すことになってしまうのである。