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ガダルカナル40

时间: 2020-07-30    进入日语论坛
核心提示:40 十月二十二日、第十七軍戦闘司令所では、第二師団の攻撃が予定通り二十三日に決行されるという報告を受けて、コリ支隊に対し
(单词翻译:双击或拖选)
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 十月二十二日、第十七軍戦闘司令所では、第二師団の攻撃が予定通り二十三日に決行されるという報告を受けて、コリ支隊に対して、二十三日正午ごろ海軍艦艇に乗ってショートランドを出発し、ガ島よりの無電の飛行場占領信号「バンザイ」を合図として直ちにコリ岬付近に上陸、所命の任務を遂行するように命じた。
コリ支隊というのはいままで触れていないから、ここで簡単に説明しておく必要がある。十七軍では、十月二日に、海軍からの通報で、コリ岬(ルンガ岬から東へ直線距離で約一四キロ)付近に新しい飛行場が造られていることを知り、ルンガ飛行場(ヘンダースン飛行場)攻略と同時にコリ飛行場をも攻略することとして、コリ支隊を派遣する準備をした。
コリ支隊は、歩兵第二百二十八連隊第一大隊、工兵第三十八連隊の一中隊、第三十八師団通信隊の一小隊が、右記第一大隊長の指揮をもってコリ支隊となり、ショートランドで待機することになっていたのである。
二十三日、第二師団各部隊は展開線とおぼしい地点で準備を整え、そこからまた各部隊ごとに密林を啓開しながら、必ずしも明瞭に標定出来ているわけではない攻撃準備位置へ向って分進した。
右翼隊は左翼隊の後尾を行進していた。右翼隊は左翼隊より遠く右方に展開しなければならないのだから、行軍序列の定め方が逆なのである。右翼隊長川口少将は部隊の最先頭を尖兵小隊長と同行し、歩兵一二四の第三大隊が続行した。(大隊長は九月攻撃の際に問題を起こした渡辺中佐から一色少佐に替っていた。)川口手記によると、一色大隊長からの報告では、第三大隊の後方を行軍中の歩兵第二百三十連隊は前進が遅れ、第三大隊との連絡も切れ、現在何処まで来ているか全然不明ということであった。
川口少将は第二師団長に対して、十二時四十五分発「至急」の報告を出した。封書であったから、伝令が持って走ったものであろう。師団長が受け取ったのは二十三日午後二時であった。内容は次の通りである。(このあと数時間で、既述の通り川口少将は右翼隊長を罷免されるのである。)
「右翼隊主力ヲ以テ二十三日夜ノ夜襲ハ困難ト認ム
理由
[#ここから改行天付き、折り返して2字下げ]
一 東海林部隊ノ前進遅延シアリ(同隊ハ 一〇〇〇〈午前十時──引用者〉昨夜ノ右翼隊司令部ノ宿営地ヲ先頭ヲ以テ通過シ得ルノ距離ニアリ 重火器ハ本夜ニアラサレハ右地点ニ達セス)
二 一二三〇ニ至ルモ未タ我カ作業頭(密林啓開作業の意──引用者)ノ地点ヲ確認シ得ルニ至ラス 従ツテ部隊集結地タル中川右岸大草原南端ニ達スル時刻ヲ予定シ得ス(敵砲兵ハ北方概ネ六キロニ聞ユ)
三 昨日師団参謀長ト別レタル地点以後ノ地形ハ急傾斜ノ山地連続ナリ 一二三〇頃初メテ平地ニ出ツ
四 右翼隊ノ地形偵察者鹿中中尉ハ昨日来行方不明ナリ
[#ここで字下げ終わり]
処置
[#この行1字下げ]東海林部隊ヲ極力急カセアルモ主力ハ恐ラク間ニ合ハサルヘシ
[#この行1字下げ]大草原南端ニサヘ進出シ得ハ一色部隊ノミヲ率ヰ突撃スル予定」
 左翼隊は、二十三日午後三時ごろ、ムカデ高地南東約一キロ(きわめて不確実)に集結して、攻撃準備中であり、二十三日夜の攻撃は可能であるという報告が第二師団に入ったという。何故そういう報告を入れたか、入れることが出来たか、明らかでない。左翼隊も右翼隊同様五里霧中の状態にあったはずなのである。斥候を幾組出してもほとんど帰還せず、たまたま戻った斥候の報告は、ただ一面のジャングルで、何もわからない、という正直なものであった。
(前掲滝沢氏の書簡は、次のように言っている。「左翼隊の先頭を進んでいた歩二十九では、敵情不明という報告はしたが、それ以外のことは報告していない」──原文のまま)
事実、敵情も地形も皆目判明せず、部隊の現在地の正確な標定など出来るはずがなかった。二十三日攻撃可能、と、誰が何を根拠として判断したのか、これも史実の密林のなかに行方を失っているようである。
左右両翼隊の実情とはまるで別個のように、二十三日午前十時、第十七軍戦闘司令所は第二師団戦闘司令所にいる辻参謀から、次の報告を受けた。(戦史室前掲書)
一 敵陣地は|右翼隊正面軽易なるも《ヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽ》左翼隊正面は堅固なり
二 師団は予備隊(歩兵第十六連隊)を右翼隊後方に進めるに決せられる。師団長も右翼隊後方に移動の予定。(傍点引用者)
辻参謀が何を根拠に傍点部分のように、右翼隊正面の敵陣地は軽易で、左陣隊正面は堅固である、と断定し得たのか、明らかでない。第一、辻参謀自身は工兵隊の作業頭である両翼隊の分岐点までしか行っていない。第二に各隊は斥候を何組も出したが、ほとんど帰還せず、たまたま帰還した斥候も、既述の通り、ただ一面のジャングルで、何もわかりません、と報告せざるを得ないほど、敵情も地勢も一切不明であった。第三に、したがって、判断材料は航空写真しかないことになる。航空写真では、川口右翼隊長は、九月の夜襲時とは異った陣地工事の形跡を発見し、「之では金城鉄壁に向って卵をぶっつけるようなもの」と判断して、先に述べた通り、辻参謀に分岐点で会った際、敵陣地左側背への迂回を必要と考えることを伝えたのである。辻参謀が、それを、何故、右翼隊正面の敵陣地は軽易であると判断し、軍戦闘司令所へ報告するほどに確信を持ち得たのか、理解し難い。
いずれにしても、斥候の綿密な偵察もなしに下された判断であり、謂わば勘に過ぎないし、参謀の立案した作戦計画に対して異議申立てをした川口右翼隊長に対する個人的な反感が混入してはいなかった、と、客観的に判定出来るか否かは疑わしい。
二十三日夕刻、同じく辻参謀(在第二師団戦闘司令所)から、十七軍戦闘司令所に重大な連絡が入った。
[#ここから改行天付き、折り返して2字下げ]
一 川口部隊長の報告によれば、地形嶮峻錯雑のため部隊の進出遅れ攻撃準備出来ず今夜の攻撃は不可能なり。
[#ここで字下げ終わり]
(これは、川口少将が二十三日午後第二師団長に届けた報告を元としたものだが、川口少将は不可能とは言っていない。先に引用した通り、東海林部隊の進出が遅れているから、右翼隊主力を以てする夜襲は困難と認む、予定位置たる草原南端に進出し得さえしたら、一色部隊──歩一二四第三大隊──のみを率いて突撃する予定、と申送ったのである。)
[#ここから改行天付き、折り返して2字下げ]
二 師団の第一線は飛行場前約三粁の線に進出中なるも落伍者多し。
歩兵第十六連隊(予備隊──引用者)は一部到着しおるのみ。
三 いまだ敵に発見せられあらず、敵は飛行場の側でテニスを行ないつつあり。
[#ここで字下げ終わり]
 十七軍戦闘司令所では、前線の状況が右の報告の通りであるならば、攻撃開始をさらに一日延期して準備をする必要があると考えた。この再延期のために、積載燃料の制約を負っている艦隊主力が引き揚げてしまうとしても、やむを得ないこととしなければならなかった。
「至近の距離相当の偵察も為し得る筈なるに行あたりばったりにて、艦隊の迷惑之に過ぐるものなし。」
と、再延期通告を受けた連合艦隊側では、宇垣参謀長が書いている。海軍は迷惑にちがいないが、偵察隊が帰還出来ないほどのジャングルの恐ろしさは、海軍もまた知らないのである。日誌はこうつづいている。
「然し陸上戦も戦闘なれば敵の出様阻止にして意外に強靭なれば、進出も遅滞するは当然とも考ふるが、敵の抵抗にあらず概ね地形によりて左右せられあり。|茲《ここ》に余輩の遺憾とし|事前の準備の不足と為す所以の存する処あり《ヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽ》。(以下略)」(宇垣前掲書。傍点引用者)
事前の準備は、確かに、計画段階から安易に考えられ、不足していたのである。
第十七軍司令官は攻撃を二十四日に再延期する件を決裁し、直ちに第二師団長に伝達するとともに、待機中のコリ支隊に対しても出発の一日延期を発令した。
第二師団長は軍命令を受けて、攻撃開始を十月二十四日午後五時とし、両翼隊に対して、企図の秘匿と、敵と過早に接触しないように注意することを命令した。
時間的には、たぶん右の処置と前後するころと思われるが、川口右翼隊は所定の大草原南端から、敵の左側背への迂回行動を起こそうとしていた。そこへ師団参謀長からの電話がかかってきて、既述の経過となり、一気に右翼隊長罷免に至ってしまうのである。
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