日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

十二国記075

时间: 2020-08-19    进入日语论坛
核心提示:「どうした、乗り遅れたのかい」 どら声がかかって、陽子ははっと我に返った。 杭《くい》を打ち、土を突き固めた岸壁の下に小
(单词翻译:双击或拖选)
 「どうした、乗り遅れたのかい」
 どら声がかかって、陽子ははっと我に返った。
 杭《くい》を打ち、土を突き固めた岸壁の下に小さな船が見えた。四人ほどの男が甲板で働いている。なかのひとりが陽子を見あげていた。
 陽子は堅い表情でうなずく。次の船は五日あとまでない。この五日が運命を決するだろう。
「跳《と》べるか、坊主。乗りな」
 一瞬、意味を把握《はあく》できずに陽子は船乗りを見た。
「急ぐんだろう。ちがうのかい」
 陽子はうなずいた。船員は岸の杭にむすびつけたロープの端をにぎっている。
「そいつを外して飛び降りてきな。フゴウで追いつける。乗せてやるから働けよ」
 船員が言うとほかの船員がかるく笑った。陽子は力をこめてうなずく。足元の杭に巻かれたロープを外し、それをにぎったまま甲板に飛び降りた。
 
 船は阿岸の北にある浮濠《ふごう》という島まで荷物を運ぶ貨物船だった。浮濠は巧国の北端、阿岸から一昼夜がかかるそこからは雁国まで寄港する場所はない。
 陽子には修学旅行のフェリーをのぞいて船に乗った経験がなかった。まして、帆船《はんせん》に乗ったのは生まれてはじめての経験である。
 わけがわからないまま船員に言いつけられるたびに物を取ったりかたづけたり、コマネズミのように働かされた。沖合いに出て船の操舵が落ちつくと、鍋を磨《みが》けだの食事を作れだの次から次へと雑用を言いつけられる。あげくのはてには年かさの船員の脚までさすらされたが、事情を問う声に陽子が生返事を返していると、無口な坊主だと笑って、それ以上は詮索しないでおいてくれたのがありがたかった。
 船は一昼夜、休みなしに海上を走りつづけて翌朝浮濠の港に入った。
 港では一足先についた雁国行きの船が静かに停泊していた。船員たちはギリギリまで陽子をこき使ったあげく、接岸せずに停泊している旅客船の横に船をつけてくれた。旅客船の船員に声をかけ、陽子を乗せるように口をきいてくれる。旅客船から下ろされた棒にすがって船をうつると、小さな包みを投げてよこした。
「饅頭《まんじゅう》だ。中で喰いな」
 陽子を船に乗せてくれた船員がそう言って手をふる。包みを抱いて陽子も手をふった。
「ありがとう」
「お疲れさん。気をつけてな」
 賑《にぎ》やかに笑って防舷物《ぼうげんぶつ》──それを下ろしたのは陽子だった──を引きあげる男たちが、陽子が巧国で出会った最後の人たちになった。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%