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十二国記171

时间: 2020-08-27    进入日语论坛
核心提示:「──玉葉《ぎょくよう》さま!」 泰麒《たいき》が声を上げたのは、露茜宮《ろせんきゅう》で昼餉《ひるげ》を終えたときだっ
(单词翻译:双击或拖选)
「──玉葉《ぎょくよう》さま!」
 泰麒《たいき》が声を上げたのは、露茜宮《ろせんきゅう》で昼餉《ひるげ》を終えたときだった。
 わずか五室しかない宮の、中の間に入ってきた玉葉は背後に金髪の若者を従えていた。それを見て、禎衛《ていえい》は平伏しながらさらに深く心中で頭を下げる。
 ──玉葉はちゃんと考えていてくれたのだ。
「少しお会いせぬ間に、ごりっぱになられた」
 玉葉は笑って泰麒の髪を梳《す》く。
「ずいぶん鬣《たてがみ》も伸びましたね。……つつがなくお暮らしか?」
「はい」
 答えて泰麒は、玉葉の背後の若い男に目をやる。蓬山《ほうざん》で男を見るのは、いつぞやの醐孫《ごそん》以来だから、ひどく珍しかった。
「こちらは景台輔《けいたいほ》。……景麒《けいき》でいらっしゃいます」
 泰麒は目を見開いた。
「キリン、なんですか?」
 玉葉はうなずく。
 泰麒はしばらく、無表情に会釈する景麒を見あげた。
 なんだか冷たそうな人だけれど、麒麟《きりん》に会えたのは嬉《うれ》しい。実際、泰麒は自分が麒麟であることを承知しながら、その麒麟がどういうものなのか、いまひとつ呑《の》みこめないでいたのだ。
 玉葉は女仙《にょせん》たちを見渡す。
「露茜宮はにぎやかよね」
 蓉可《ようか》はあわてて、頭を下げる。
「申しわけございません。泰麒がおひとりでお食事なさるのを厭《いと》われて……」
 玉葉は笑った。
「よい。いま、蓬山の主は泰麒。泰麒のよいようにしてしんぜなさい」
「はい」
「景台輔はしばらくご逗留《とうりゅう》なさるほどに、宮を用意しや」
「かしこまりまして」
 一礼する女仙たちを見渡して、玉葉は泰麒の手を取る。
「不心得者に狼藉《ろうぜき》をはたらかれたとか。とんだご災難だったが、お怪我《けが》は?」
「ありません」
「それはようござった」
 微笑《わら》って玉葉は泰麒を座らせる。景麒にも目線で座るように促《うなが》した。
「景台輔は、泰麒の前に蓬山にいらしたお方」
「そうなんですか」
 泰麒は景麒を見たが、表情のない目礼が返ってきただけだった。
「おふたりは同じ蓬山でお生まれになった、いわば兄弟のようなもの。景台輔はしばらく蓬山におられますゆえ、泰麒も景台輔をお兄様とおぼしめして、いろいろと教えていただかれませ」
「はい」
 泰麒は笑って、景麒をまっすぐに見る。
「景台輔はお昼はおすみですか?」
「……ええ」
「お茶はいかがでしょう」
「ご遠慮申しあげます」
 泰麒は首をかしげる。
「景台輔は、どちらの宮にお泊りになるんですか?」
「以前こちらにいるときには、紫蓮宮《しれんきゅう》におりました」
「じゃあ、宮に行かれますか? ご一緒してもいいでしょうか」
「どうぞ」
 立ちあがった景麒に続いて、泰麒も立ちあがる。景麒の後を追って歩きかけて、玉葉を振りかえった。
「玉葉さまはゆっくりしていらっしゃるんですか? それとも、ご用事がおありでしょうか」
 玉葉は笑う。
「とくに用はござらぬほどに、泰麒さえよろしければ、夕餉《ゆうげ》にお招きくりゃれ」
「はい!」
 嬉《うれ》しそうに笑って、あわてて景麒を追っていく泰麒を玉葉も女仙《にょせん》たちも微笑《ほほえ》んで見送る。ふたりの姿が消えてから、禎衛ははばかるようにして玉葉に声をかけた。
「ご無礼とは存じますが……」
「申してみや」
「おそれながら、景台輔は気安いとは申しあげかねるお方。……その……泰麒とは」
「たしかに景台輔は堅苦しいお方よの」
 禎衛は黙した。景気は蓬山で生まれ、つい先ごろまでここ蓬山に住んでいたのだから、気質はよくわかっている。否定するのが礼儀だろうが、あいにく禎衛は否定する根拠を持たなかった。
「いつぞやのご縁もおありゆえ、廉台輔《れんたいほ》にお願いしようかとも思うたのじゃが。漣《れん》はいま騒乱のさなか、そうそう台輔をお借りするわけにもまいらぬ。いつぞやも、ご無理を申しあげてのこと」
 廉麟《れんりん》の生国、漣に乱ありとの噂は禎衛も聞いていたので、ただうなずいた。
「それを思えば、景台輔がいちばんお歳《とし》が近くていらっしゃる。お国が大変なのは景台輔もご同様なれど、台輔は泰麒とおつきあいあそばして、少し泰麒の気安いところを見習われるのがよろしかろう」
 禎衛はごくひかえめに苦笑した。
「……はい」
 玉葉は軽く笑ってから、ふと笑みを失う。
「……景女王は、少しばかり思いつめる性質のお方。景台輔があれでは、かえって景王を追い詰めてしまわれよう。泰麒の柔らかな気質を少しでも見習ってくれるとよいのじゃが……」
 禎衛は黙って一礼した。
 蓬山の外にも、悩みの種は尽きないらしい。
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