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十二国記191

时间: 2020-08-27    进入日语论坛
核心提示:「──驍宗? ああ、王師の乍《さく》将軍ですね」 問うたのはその翌日、問うた相手は前日に会った李斎《りさい》という女将軍
(单词翻译:双击或拖选)
「──驍宗? ああ、王師の乍《さく》将軍ですね」
 問うたのはその翌日、問うた相手は前日に会った李斎《りさい》という女将軍だった。
 彼女は落胆など毛ほども見せず、再び飛燕《ひえん》に会いにいった泰麒《たいき》を歓待してくれた。女仙《にょせん》が従者と話しこんでいる間、泰麒は李斎と飛燕のそばに座っている。
「李斎殿も将軍でしょう? お知り合いですか?」
 李斎はいいえ、と否定する。
「わたしは将軍といっても州侯《しゅうこう》軍の将軍。驍宗殿は王直属軍の将軍ですから身分がまるでちがいます」
 州侯師の将軍と禁軍の将軍では、その身分に雲泥《うんでい》の差があるといってよかった。禁軍の将軍ならば王宮に昇って王に直接対面ができ、朝議にも参加して政治の一端を担《にな》うことができる。州侯軍の将軍が単なる軍人であるのに比べ、禁軍の将軍ともなれば、王の重臣であるといってよかった。
「では、有名な方なんですか?」
「ええ。たいそうな剣客でいらっしゃるから。軍兵の信望も篤《あつ》い。直截苛烈《ちょくさいかれつ》だが礼を知り道を知る方だと聞いております」
 言って李斎は泰麒を見返した。
「──驍宗殿に興味がおありですか?」
「……昨日、喧嘩《けんか》に行き合って……」
 ああ、と李斎はつぶやいた。
「どこかの命知らずが驍宗殿を怒らせたと聞きましたが、それですね。あれは相手のほうが悪い。ひどく驍宗殿を侮辱《ぶじょく》したと聞きました。そうでもなければ、たやすく私闘などなさる方ではありません」
「そうですか……」
 李斎はまっすぐに泰麒を見る。
「驍宗殿が王ですか?」
 泰麒はあわてて首を振った。
「そういうわけではないんです。ただ、とても怖《こわ》い感じがしたので……」
 李斎は意外なことに少し落胆したような表情を見せた。
「ああ……驍宗殿ではないのか……」
「昨日もそういう声を聞きました」
 李斎は笑う。
「柔和な方ではなかろうが、怖い方でもないようですよ。立派《りっぱ》な方だと思います。一軍一万二千五百の兵卒に、ことごとく尊崇《そんすう》されるのは並大抵のことではありませんから。敵も少なくはない方だが、味方にはこのうえなく慕《した》われておられる。──それは、残念だな」
「李斎殿は驍宗殿の味方なんですね」
 李斎はちょっと飛燕《ひえん》の毛並みをもてあそんだ。
「そう──お会いしたことはないが、尊敬申しあげておりますね。わたしも軍をあずかるものですから。驍宗殿が王なら納得《なっとく》できたと思います」
「そんなに強いひとなんですか?」
 李斎はうなずいた。
「剣客といえば、一に延王《えんおう》、二に驍宗《ぎょうそう》と言われます」
「へぇ……」
「驍宗殿に比肩《ひけん》する者がいないわけではありませんが、彼には人望が篤《あつ》い。軍才と徳と、両方を備えるのは希《まれ》なことです」
 泰麒はうなずく。
(……けれど、彼には天啓《てんけい》がなかった……)
「残念なことです」
 これは李斎の本音だった。
 禁軍の乍将軍がどれほどの逸材《いつざい》だか、軍に関係するもので知らぬ者はない。彼が禁軍の将を拝領したのは、禁軍においては破格に若い頃だったし、反乱の討伐《とうばつ》に向かった驍宗を討伐された当の民衆たちが誉《ほ》めそやすのも耳にした。
 単に強いだけの将、単に徳のあるだけの将なら他国にもいくらでもいるが、両方を備えて、なおかつそれが他国にまで鳴り響くほどの人物はめったにいない。
 実際のところ、令坤門《れいこんもん》に駆《か》けつけて、今回の昇山《しょうざん》の者のなかに驍宗がいるという話を聞いたときに、自分が玉座につくことはあるまい、とそう思った。
 温情ある将だ、よくできた人物だと周囲におだてられ、担《かつ》ぎだされるようにして昇山したが、李斎とて己《おのれ》にたのむところがないわけではない。それでも、世間の風評を信じるかぎり、自分では驍宗にかなわないと、そう率直に思えるだけのものが彼にはあった。
「本当に、残念だ……」
 李斎のつぶやきに、泰麒は迷いながら言ってみる。
「ぼくは、李斎殿が王様だったらよかったな、と思うんですけど……」
 李斎は破顔した。
「これは名誉なことを言ってくださる。ありがとう存じます」
「本当にそう思うんです」
「そうおっしゃっていただけるのは光栄に存じますが、あまり簡単にお心を許されませんよう。公《こう》に取りいって出世栄達を願う輩《やから》かもしれませんよ」
 悪戯《いたずら》っぽく見つめられて泰麒はきょとんとした。
「まさか」
「どうして、どうして。そういう輩も多いもの。昇山《しょうざん》の者のなかには、はなから玉座は諦《あきら》めて、これを機会に公や王とよしみを結ぼうとするものもおりますから」
「そんなものなんですか?」
「残念ながら。かくいうわたしも、公が戴国《たいこく》にお下りあそばしたのち、王師に召しあげてくだされと願う肚《はら》やもしれません」
 泰麒は首をかしげた。
「李斎殿はそんな方ではありません。……と、思います」
 李斎はさらに破顔した。
「公は本当に李斎が舞い上がるようなことを言ってくださる」
「そうでしょうか」
「そうですとも」
 笑って李斎は腰を上げる。軽く衣服についた藁《わら》を払った。
「おつきの女仙《にょせん》方は話がはずんでおられるようです。──よろしかったら、李斎をお供に召しかかえて、そのあたりをお歩きになりませんか?」
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