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十二国記234

时间: 2020-08-29    进入日语论坛
核心提示: 朱衡《しゅこう》は風を受けながら、王宮の道を歩く。内宮から退出したところだった。 雁《えん》は四州《ししゅう》北東の国
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 朱衡《しゅこう》は風を受けながら、王宮の道を歩く。内宮から退出したところだった。
 雁《えん》は四州《ししゅう》北東の国、寒冷の土地である。冬は北東からの乾いた季節風にさらされて寒く、夏は黒海《こっかい》から吹きこむ冷たい風にさらされる。季節は夏を経て秋が忍び寄ろうとしている。黒海からの風は日増しに弱くなって、太陽に温められた大地の温《ぬく》みが大気をも暖めている。夏は涼しく、雨がなく、植物の繁茂には適さないが、そのかわりに秋が長い。ふわふわといつまでも暖かくて、北東からの条風《きせつふう》が吹き始めると、いきなりのように寒くなるのだ。
 王宮は雲海の上だから、下界の気候とは関係がない。それでもいまはまだ、下界の風もこれと大差ないだろう。これから雁は秋に向かい、秋の終わりにひと月ほどの雨期がきて、雨がやむと条風が吹く。それは戴国《たいこく》から乾ききった震撼《しんかん》するような冷気を運んでくるのだ。
「漉水《ろくすい》か……間に合うといいが……」
 朱衡は雲海の西を見やった。雨期が来るまでに漉水の治水がなるか。
 漉水は関弓《かんきゅう》のある靖州《せいしゅう》から黒海沿岸|元州《げんしゅう》に向かって注ぐ大河である。元州には平野部が多い。季節毎に氾濫《はんらん》を繰り返す漉水が作った肥沃《ひよく》な平野だった。黒海に面する沿岸部一帯は梟王《きょうおう》が堤《つつみ》を切って以来、人の住めない土地になってしまったが、念願の帰国を果たした人々が開拓をはじめて、かなりの数の村落ができていると聞く。元州州侯の手には負えない。有名無実で治水を行う実権がないのだ。現在まだ先帝が任じた州侯は整理されておらず、そのほとんどの実権を取り上げられてしまっている。
 軽く溜め息をついて足を進めていると、ちょうど帷湍《いたん》が石段を上ってくるのに行き合った。
「──いかがでした」
 朱衡が笑い含みに問うと、帷湍はキッと顔をあげる。
「首根っこを掴《つか》んで連れ戻してきた。内宮で衣服を改めておられる」
 ならば一緒に禁門《きんもん》を通って内宮に行き、そこで話をすればよかろうに、この男はわざわざ正門を通って戻ってきたらしい。雲海の上に浮かぶ玄英宮《げんえいきゅう》には直接出入りできる門がひとつしかない。これを禁門といい、麓《ふもと》関弓から登る道にある五門を正門という。本来禁門は王と宰輔《さいほ》しか通行できないのだが、帷湍は禁門を使う特権を下賜《くだ》されている。なのに、そういうところだけは堅苦しい男である。
「ならば、わたしも戻りましょう。ひと言申しあげねば」
「がっちりとっちめてやれ。──どこにおられたと思う?」
「さて」
「関弓の妓楼《ぎろう》で賭博《とばく》に興じて、有り金を巻き上げられたそうだ。借金のかたに乗騎を取られて戻るに戻れず、そのぶん庭掃除をして返すのだと箒《ほうき》を握っているところを捕まえた」
 朱衡は声をあげて笑った。
「尚隆《しょうりゅう》さまらしい。──それで借金を立て替えてきたのですか」
「踏み倒すわけにはいかんだろう。だからといって、返すまで下働きをさせられるか。まさか正直に王だと言って、許してやってくれとも言えまい。あれが自国の王だと知ったら、連中は落胆して号泣《ごうきゅう》するぞ」
「──でしょうねえ」
 雁は一度滅びたとさえ言われる。それほど荒廃が深かった。新王の践祚《せんそ》は国民の悲願だった。その悲願がそのありさまでは、本当に落涙《らくるい》する者もあろう。
「まったくあの、のんき者が」
 王を相手に、これだけ悪態を言ってのける者もいないかもしれない、と朱衡は苦笑した。
 帷湍はもともとは田猟《でんりょう》といって、人民を管理し、納税のための台帳を整備する官だったが、革命にあたって遂人《すいじん》に抜擢《ばってき》された。それも、王自ら猪突《ちょとつ》という字《あざな》を下して、あらゆる特権を与えてのことである。帷湍は王の寝所に立ち入り、禁門を使用し、内宮の奥まで騎乗して行くことができ、王の前で平伏しなくてもいい。──だが王を罵《のの》っていいという特権などはなかったと思うのだが。
「鷹揚《おうよう》なお方だから、あなたも首が繋《つな》がっているのでしょう?」
 新王が玉座《ぎょくざ》について、玄英宮の諸官は新王に慶賀を述べて拝謁《はいえつ》した。その誉《ほま》れある祭典のさなかに、帷湍は戸籍を鷲掴《わしづか》みにし、王の足元に投げ捨てたのである。
 朱衡が言うと、帷湍は嫌《いや》な顔をした。
「……古い話を持ち出すな」
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