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十二国記238

时间: 2020-08-29    进入日语论坛
核心提示: その有能だがでたらめな雁国王《えんこくおう》は、内宮の私室で四人の人間にこんこんと諭《さと》される羽目になった。「お前
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 その有能だがでたらめな雁国王《えんこくおう》は、内宮の私室で四人の人間にこんこんと諭《さと》される羽目になった。
「……お前たちの言い分はわかった」
 尚隆《しょうりゅう》は周囲の四人を見比べる。帷湍《いたん》は憮然《ぶぜん》として自王をねめつけた。
「分かっただけか」
「反省した」
「俺はあれほど恥ずかしい思いをしたのは初めてだぞ。この恨《うら》み、滅多《めった》なことでは忘れんからな」
「まったく、まったく」
 帷湍の背後からしたりという風情《ふぜい》の合いの手があがったが、これには帷湍は構わない。本当に、と朱衡《しゅこう》が溜め息をついた。
「主上にあってはご自身のお立場をいかが思《おぼ》し召《め》しなのですか。国の範たる王がそれで、いかにして諸官を治めるおつもりです。模範となるべき御方《おんかた》が、このありさまでは。拙《せつ》とて民に顔向けができません」
「だろう、だろう」
 まったくの無表情で滅多《めった》に開かぬ口を開いた男がいる。
「呆《あき》れ果てて開いた口が塞《ふさ》がらぬ。こんな愚王に使われる己《おのれ》までが不甲斐《ふがい》ない」
「酔狂《すいきょう》、お前まで小言か?」
 字《あざな》は酔狂、別字を成笙《せいしょう》という。褐色《かっしょく》の肌をもつ痩身《そうしん》の小柄な若い男だが、軍事を司る司馬《しば》の官、特に王の身辺を警護する小臣《しょうしん》の長、大僕《だいぼく》である。梟王《きょうおう》によって禁軍将軍に登用され、知略に優れ武道に秀《ひい》でること比類なしと言われた。梟王に諫言《かんげん》して捕らえられたが、あの昏帝《こんてい》でさえ殺すことを惜しんで幽閉させた。梟王が弊《たお》れてのち諸官が石牢《いしろう》から出そうとしたが、本人は王によって投獄されたのだから、王の赦免《しゃめん》がなければ出ないという。そのまま新帝によって赦免されるまで錠の下りてもいない牢に五十年近く居座りつづけた剛の者である。
「……そういう、くだらない名を勝手につけないでいただきたい」
「気にいらんか?」
「あたりまえです」
 憮然《ぶぜん》とした成笙を、帷湍は恨《うら》めしげに見た。
「お前はまだましだ。俺なんぞ、猪突《ちょとつ》だぞ」
 王から直々《じきじき》に字を下賜《くだ》されるといえば、これ以上の名誉はないが、その名誉の中身が猪突だの酔狂だの無謀《むぼう》だのでは、ありがたみなどありはしない。さらに言えば、尚隆が麒麟《きりん》である宰輔《さいほ》六太《ろくた》に下した字は馬鹿《ばか》という。馬と鹿の間のような生き物だからいいだろう、と尚隆はそう言ってひとり悦に入っていたが、認知するものがいようはずもないのである。
 まったく、と帷湍は苦々しげな顔をする。
「軽佻浮薄《けいちょうふはく》とは、こいつのことを言うのだ」
「しかり、しかり」
 今度は、三者がいっせいに背後を振り返った。
「台輔《たいほ》も同罪です!」
 いきなり冷たい視線を浴びて、無責任に合いの手を入れていた六太は首をすくめる。
「おれは別に、賭事《かけごと》なんてしてないぞっ」
「では、朝議をお休みになった間、どちらにおいでだったのか、お聞かせ願いましょう」
 朱衡に迫られて、六太は愛想笑いを浮かべた。
「──視察。国がどのていど復興しているか、とかだな」
「では、その成果をお聞かせくださいませ」
「えーと……」
「主《あるじ》を裏切るからだ」
 ぼそりと言われて六太は自王を見る。
「そもそもお前が遊び歩いているからだろーがっ。おれまで小言を言われてんだぞ、冗談じゃねえや」
「そういうお前もサボっているんだろうが?」
「てめーほどじゃねぇよっ!」
「五十歩百歩という言葉を知っているか?」
「似たようでも五十歩の差は確実にあるって意味だろ?」
 だん、と朱衡は卓を叩く。
「いま少し真面目《まじめ》にお聞きいただきたいのですが」
 分かった、と尚隆は手をあげる。
「反省した。政務はさぼらぬ。──それでいいのだろう?」
「ご本心でございましょうね?」
「西のほうがキナ臭いことでもあるしな。しばらくおとなしく玉座《ぎょくざ》を温めている」
 四者がいちように尚隆を見た。
「──西」
「元州《げんしゅう》だ。出てくるぞ」
 帷湍は背後を振り返る。帷湍らが集《つど》うときには必ず人払いをしてあるが、誰もいないことを改めて確認する。
「……それは」
「街で仕入れた。元州は近頃ずいぶんと羽振りがいいそうだ。月に何度も元州師の兵がやってきては妓楼《ぎろう》に大枚《たいまい》を落としていく。来るときは手ぶらだが、帰るときには大層な荷があるそうだぞ」
「関弓《かんきゅう》で何かを仕込んで──?」
「食料なら問題はないが、武器だったとしたら?」
 しかし、と朱衡が首を傾ける。
「謀反《むほん》の備えになるほどの武器が調達できるとも思えません。街じゅうの武器を買い漁《あさ》れば、それこそ噂《うわさ》になりましょう」
 尚隆は笑って成笙を見やる。
「関弓には王師の武庫があるな」
 成笙は目を細めた。武庫を管理する官が武器を横流ししていないか。梟王が武庫にかき集めた武器の数は尋常ではない。それを売り払い、国庫の足しにしてきたが、あまりに大量の武器が出回ったせいで、のちにほとんど値がつかなくなった。それでいまも、武庫には武器がうずたかく積まれている。
「しかし、元州候は」
 朱衡の声に帷湍がうなずく。
「梟王の勘気を恐れ、梟王が弊《たお》れてからは民の報復を恐れ、いまに至っては主上の罷免《ひめん》を恐れて内宮の奥深くに隠れたまま出てこないと聞いている。気を病《や》んでいるという噂《うわさ》も」
「……窮鼠猫《きゅうそねこ》を噛《か》むというからな。思いつめた奴のほうが怖《こわ》い。そのうえ元州には切れ者の令尹《れいいん》がいるだろう。元州候の伜《せがれ》だ。──斡由《あつゆ》といったか」
 帷湍は瞬《まばた》いた。
「よく知っているな」
「街で仕入れたのだ。民の噂話というものは、そんなに侮《あなど》ったものでもない」
「なるほど……」
 感心したような帷湍をちらりと見やって朱衡は軽く咳払《せきばら》いする。
「おそれながら、主上」
「なんだ?」
「王ともあろうお方が、わざわざ民草の間にお降りになって、間諜《かんちょう》のまねなどせずとも良いのです!」
 やれやれというように天井を見上げた尚隆を笑って、六太は席を立った。
「──どうした、六太」
 六太は部屋を退出しながら振り返る。
「おれには向かない話になってきたから、出てる」
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