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十二国記259

时间: 2020-08-30    进入日语论坛
核心提示: 帷湍らの罵倒《ばとう》を聞き流しながら後宮を出て、尚隆は小臣《しょうしん》に耳打ちした。「──乗騎を出せ」「主上」「少
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 帷湍らの罵倒《ばとう》を聞き流しながら後宮を出て、尚隆は小臣《しょうしん》に耳打ちした。
「──乗騎を出せ」
「主上」
「少し散歩に出るだけだ。固いことを言うな」
 この小臣は毛旋《もうせん》という。彼は深い溜め息をついた。
「いつもいつも。──おれが手引きしてることがばれたら、大僕《だいぼく》に絞め殺されてしまうんですけど」
「その時は必ず候位をくれてやる」
「死んだ後にもらったって、ぜんぜん嬉《うれ》しくありませんよ」
「ならば特例で公を」
「冗談じゃない。──出してさしあげますけど。その代わり、おれもお供しますからね」
「そういう野暮《やぼ》なことを言うものじゃない」
 毛旋は呆《あき》れた顔をした。
「いまがどういう時かお分かりなんですか、まったくもう」
「こういう時こそ、まあ、いろいろとな」
「すぐに戻ってくださいよ。そうそういつもいつも行方《ゆくえ》をくらまされた、なんて、言いわけを続けていたら大僕に左遷《させん》されてしまう」
 尚隆は笑った。
「そのときには何とでもしてやろうよ」
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