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十二国記271

时间: 2020-08-30    进入日语论坛
核心提示:「ふうん」 六太の声には力がない。驪媚はせつなく横を向いた六太の姿を見つめた。「わたしは主上の、あれほど真摯《しんし》な
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「ふうん……」
 六太の声には力がない。驪媚はせつなく横を向いた六太の姿を見つめた。
「わたしは主上の、あれほど真摯《しんし》なお顔を初めて拝見いたしました。──主上は決して愚《おろ》かでも無責任でもいらっしゃらない。考えるべきことは考え、行うべきことは行っていらっしゃる。それを表にお出しにならないだけなのではありますまいか」
「それは買いかぶりすぎじゃないのか?」
 六太は笑う。
「朱衡たちが聞いたら泣くぜ、きっと。側近くにいる者の苦労を知らないからだと言ってさ。──朝議はさぼる。行方《ゆくえ》はくらます。人の言うことなんか聞きもしないで、やると決めたら好き勝手にやってのける」
「ですが主上は間違ったことをなされたことはございません。帷湍《いたん》などはのんきだなどと言いたい放題のことを言っておりますが、王が鷹揚《おうよう》に構えていらっしゃるから、あの惨状の中でもわたくしどもは絶望しないでいられたのでございますよ」
「お前、本当に尚隆に甘いのな」
 驪媚は悲しげに首を振る。
「なぜそのようにおっしゃるのです。仮にも台輔が主君をお信じにならないなんて。驪媚はせつのうございます」
「驪媚、おれは……」
「主上は決して無能ではあらせられない。わたくしはそう思っております。百官の中から有心の臣を拾い上げ、要職に据えた手腕を拝見しても、とうてい愚帝《ぐてい》だとは思えません」
「要職? そりゃあ牧伯は要職かもしれない。でも危険ととなりあわせの要職だ。帷湍や朱衡は危険でこそないが、たかだか大夫《だいぶ》の官だぞ?」
 揶揄するように六太が言えば、驪媚はまたしても首を振る。
「だから波風が立たなかったのでございますよ。他人の昇進をうらやんで、国を傾けても引きずり落とそうという輩《やから》など、掃《は》いて捨てるほどおります。そういった輩が敵視しない程度の官でございましょう。わたくしは卿伯をいただきましたが、とりあえず内臣の目の届かないところにおります。だからこれまで妬《ねた》みや嫉《そね》みで朝廷を混乱させる者がなかった」
「だけど」
「遂人《すいじん》はたかだか中大夫の官ですが、山野を治める主要の官です。治水《ちすい》のために下賜《くだ》された公金が官の懐《ふところ》に入って消えたらどうします。手抜きの堤《つつみ》で治水が成り立ちましょうか。地官の中でも、もっとも民に福利のある地位に帷湍を据えたのですよ。遂人の上にはただ小司徒《しょうしと》と大司徒がいるだけ。どちらも悪事に手を染める勇気もない腑抜《ふぬ》けぞろい。帷湍を妨げる者はおりません。だから国は緑になったのです」
 六太は黙りこむ。
「朱衡は朝士《ちょうし》、たかだか下大夫ではございますが、朝士は朝外の官、州侯にいたるまでを処罰できる、それを王に奏上できる唯一の官なのです。成笙《せいしょう》は大僕《だいぼく》ですが、夏官《かかん》の中でもっとも王に近い。王の間近に控えて、逆臣を防ぐことができる。朱衡や成笙が妨げられないよう、上官には腑抜けがそろえられております」
「驪媚……もうやめよう」
 六太は溜め息まじりに言ったが、驪媚は口を閉ざさなかった。
「王は帷湍に遂人の官職をお与えになりました。税の徴収官でも直轄地《ちょっかつち》を治める官でもございません。おかげで税の半分以上は奸臣《かんしん》の懐に消えています。天領など、革命以来不作続きだとかで、一度も上納があった試しがございません。まず、国土の復興が第一、だから帷湍をその要職にお据えになったのでしょう。この配置に民への配慮は見えませんか?」
「尚隆は暴君じゃない。それはおれだった分かってる。……でもだめだ。尚隆は王だから」
 驪媚は深く息をついた。じっと目を伏せてしばらくの間沈黙する。
 ややあって子供を膝《ひざ》の上から床におろした。そうして立ち上がる。
「台輔、お忘れくださいますな。国の荒廃は万民の苦難、新王の登極《とうきょく》は雁《えん》国民の悲願でございました」
 六太の背後にまわるので、どうしたかと振り返った六太だったが、驪媚が肩を掴《つか》むのでそれができなかった。
「驪媚?」
「台輔がお選びになったのは我が君、尚隆さま。決して斡由ではございません」
「驪媚、おれは」
 尚隆を信じられないのではなく、王を信じることができないのだ。
「我らがお待ち申しあげたのは、延王君《えんおうくん》──尚隆さまでございます」
「分かってる。──だけど」
「数日の内には王師が頑朴に到着いたしましょう」
 六太は背後を振り返りたかったが、驪媚の腕が羽交《はが》い締《じ》めるようにしているので、顔を反《そ》らすことさえできなかった。驪媚の白い手が六太の頬《ほほ》を支える。
「驪媚?」
「──宮城《きゅうじょう》にお帰りくださいませ」
 驪媚は言って六太の額に手をかけた。とめる間もなく──角を封じた石をはぎ取ったのだ。ぷつりと糸の切れる音を六太は聞いた。その、あまりにかそけく、あまりに重い音を。
 
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