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十二国記287

时间: 2020-08-30    进入日语论坛
核心提示: ぽつり、と一条の銀の光が地を刺した。 雨雲の垂《た》れこめる関弓《かんきゅう》、見渡す限りに低い雲が雲海の底をなめてい
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 ぽつり、と一条の銀の光が地を刺した。
 雨雲の垂《た》れこめる関弓《かんきゅう》、見渡す限りに低い雲が雲海の底をなめている。
 ──雨期の到来である。
「くそ……俺も頑朴《がんぼく》に行けばよかった」
 帷湍《いたん》は関弓山の中腹から雲海の底を覆《おお》った雲を見上げる。秋の到来、冷えた雲海の水が北のほうから押し寄せてきて、それにつれて雲海の底をまるで霜がつくようにして白く濁《にご》らせていく。薄く漂い始めた雲が日増しに内陸部から厚くなって、雨を降らせ始めるのだ。
 朱衡《しゅこう》もまた雲海を見上げた。
「降り始めましたね」
「同じ博打《ばくち》ならせめて側で見ているほうがましだ。遠くで結果だけ待っているのはかなり堪《こた》える……」
「さて──そうそう主上の思惑どおりに事が運べばよいのですが」
「……まったくだ。あののんき者が」
 
 それより幾日か時をおいて、成笙《せいしょう》は頑朴対岸で漉水《ろくすい》を見下ろした。河の水かさが増している。上流で雨が降り始めたのだ。東、関弓のほうを見上げれば雲が見える。雨期が元州《げんしゅう》にも近づこうとしている。
 新易《しんえき》周辺には土嚢《どのう》がうずたかく積まれている。すでに頑朴の堤《つつみ》の高さを超えた。
「そろそろ来るな──」
 成笙がつぶやくと、下士官がなにか、と問うように振り返った。
「──なんでもない。気を抜くなよ。じきに始まるぞ」
 
 新易上流、北囲《ほくい》。その漉水のほとりの廬《むら》へと、勇前《ゆうぜん》は夕暮れの中を歩いていた。河岸の道、その内側に高く土嚢が積まれている。
「──助かったな。王師《おうし》のおかげだ」
 勇前がつぶやくと、同行していた同じ廬の男女が笑った。農地から家に帰るところだった。
「本当にねぇ。ずっと生きた心地がしなかったけど、今年の雨期は安心して過ごせる」
 女のひとりが言って、彼らは同様に堤を見上げた。勇前はふとその堤に足をかける。内側から石と土が盛られて斜面になったその上を跳《と》んで、堤の上から河を見た。
「──ああ、ずいぶん増えてる。上流で降りだしたな」
 勇前が言って、物好きな二、三人が同様に堤に登ってきた。
「こんなもんか。本当に今年は心配はいらねえかもしれねぇな」
「安心して高鼾《たかいびき》をかいてると、痛い思いをすることになるぞ」
 彼らは笑って、下の道に戻ろうとする。その間際、もう一度堤から河を見渡した勇前は、対岸を進んでくる騎馬の群れを見つけた。とっさに堤に身を隠す。──どうしてなのかは分からない。近頃聞く噂《うわさ》がある。王師は漉水の下流をせき止め、頑朴を沈める気だ、と。それと同時にさらに低く囁《ささや》かれる噂。頑朴を守るために州師が堤を切るかもしれない、と。どちらにしろ、堤に近づく者をとっさに警戒してしまった。
「──どうした、勇前」
 道から声がかかるのを、しっとつぶやいて黙らせる。再び下にいた連中が同じように身を隠して堤の上に登ってきた。
「──ありゃあ」
 夕暮れのこと、すでに陽光が去り、そこここに薄暮《はくぼ》が漂い始めている。そのせいで定かではないものの、彼方《かなた》の対岸に下りてきた騎馬、その数は二百騎ほど。
「なんだ、あいつら」
「渡る気なんじゃねぇのか。浅瀬を探してるんだろう」
「なにも河を渡らなくても、上流に渡しがあるだろうが」
「それを使えねえ理由があるんだろうよ」
 先頭の一頭が、対岸を迷ったあげくに河に入った。
「……くるぞ」
「奇襲か──?」
 勇前は拳《こぶし》を握る。さらに下流に布陣する王師への奇襲か。それとも。
「奇襲なら完全に陽が暮れる前にやるだろうよ。いまからじゃ王師の陣に着いた頃にゃ、とっぷり陽が暮れている」
 下の道から女たちまでが上がってきた。
「……鍬《くわ》を持ってる」
 固唾《かたず》を呑《の》んで見守る中、馬たちは河を渡り始めた。漉水の流れは速まっている。それに流され、広大な川幅の分だけ下流へそれ、勇前らにほど近い場所に騎馬が上陸し始めた。この距離なら見てとれる。総勢二百騎。それが全員|槍《やり》ではなく、鍬を持つのはどういうわけか。
「──貴様ら、堤《つつみ》を切る気か!?」
 兵士たちが振り返る。勇前は側の女たちに叫んだ。
「里《まち》へ行って知らせろ! 州師は堤を切ろうとしているぞ!」
 駆け寄ってくる兵士たち。勇前の側の男が石を握って兵士に投げた。
「──なんてことしやがる!」
「ふざけるな! 帰れ!!」
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