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十二国記324

时间: 2020-08-30    进入日语论坛
核心提示: 才国首都、揖寧。その国府の門を叩く者があった。明け方に近い深夜。こんな夜中になにごとだろうと、飛び出してきた門卒《もん
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 才国首都、揖寧。その国府の門を叩く者があった。明け方に近い深夜。こんな夜中になにごとだろうと、飛び出してきた門卒《もんばん》は、赤虎を背後に、門にすがるようにして膝《ひざ》をついた娘を見つけた。
「……お前は」
「あたしは琶山、翠微洞《すいびどう》の者です。——ああ、どうか助けて!」
 門卒たちは槍《やり》を構えて赤虎を威嚇《いかく》した。この娘はその妖獣《ようじゅう》に襲われたのだと思ったのだ。赤虎は一瞬門卒たちを眸睨《へいげい》してから、くるりと背を見せて飛翔した。門卒の何人かが安堵《あんど》の息を吐《は》く。
「娘、大丈夫か?」
 明かりをかぎしてみれば、娘はひどいありさまだった。裂《さ》かれ、血で汚れた背子《きもの》、それも乱れて、同様に振り乱した髪も血|濡《ぬ》れている。
「襲われたのか、大丈夫か?」
 助け起こす門卒に鈴はすがった。
 ——ああ、奇蹟だ。揖寧にたどり着けたなんて。
「助けて……! あたし、洞主さまに殺されてしまう!」
 門卒たちは顔を見合わせた。
「どうかお願い、助けてください!」
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