日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

十二国記346

时间: 2020-08-30    进入日语论坛
核心提示: 鈴《すず》は船の出航を待ちながら、船端《ふなばた》にもたれて手の中の旌券《せいけん》をためつすがめつした。 旌券とは、
(单词翻译:双击或拖选)
 鈴《すず》は船の出航を待ちながら、船端《ふなばた》にもたれて手の中の旌券《せいけん》をためつすがめつした。
 旌券とは、旅をするにあたって携帯する小さな木の札のことだった。人は国から与えられた土地を基盤に生き、国もまた土地を基盤に人を治める。給付された土地から離れることは官の保護をなくすことを意味した。
 このために発行されるのが旌券、表には本人の姓名が書かれ、裏にはおおむね発行された役所の名が書かれる。役所にある戸籍《こせき》の上に旌券を置き、その縁を三か所戸籍ごと小刀で突いて、万一照合あったときにはその傷を重ねて確認する。ときには、旌券の裏に身元保証人の名が記されることもあった。
 この旌券によって人は土地を離れても、事あったときにはもよりの官府に保護を求めることができる。他国に旅するときにも同様だった。旌券なく旅すれば浮民《ふみん》と言われ、法の保護を失ってしまう。たとえ隣の街までの往復でも、管括する官府が違えば旌券が必要になる。それで誰もが常に携行するのが習わしになっている。
 鈴の旌券の裏書きには御名御璽《ぎょめいぎょじ》、采王《さいおう》自らが発行した旌券である。旌券に結び合わせている小板の表にある焼き印は烙款《らっかん》といわれる。界身《かいしん》が発行した保証の印だった。
 采王|黄姑《こうこ》は鈴に多額の旅費を与えてくれた。これは才国揖寧《さいこくゆうねい》にある界身に納められ、この界身が烙款を発行する。界身には強力な座《ざ》がある。他都市他国の界身と強固に組織されていて——この組織を座という——、座に参加している界身の烙款があれば、どこであろうと同じく座に参加している界身から金銭や為替《いてい》を受け取ることができる。この烙款は保証を発行した界身と、受け取ることのできる限度額を部外者には読めない界身座独自の文字で示してあった。
「……すごい」
 つぶやいて鈴は、旌券を丁寧《ていねい》に内懐《うちぶところ》にしまう。中の帯に通した紐《ひも》に結びつけた。
 王宮に務められないのは残念だけど、と鈴は思う。少しだけ鈴の置かれた境遇は良い方向に動いた。黄姑が下官に命じて鈴を騎獣で虚海《きょかい》沿岸の永湊《えいそう》まで送ってくれた。十日余りの旅を経《へ》て虚海の沿岸に着けば、船に乗れるよう手配をしてくれる。客船がいいか、商船がいいかと訊《き》かれた。客船は奏《そう》までの便しかない。旅客船を選ぶなら、慶《けい》まで何度か乗り継がなくてはならない。荷を運ぶ虚海廻りの商船に便乗すれば雁《えん》への船がある、途中慶にも停泊するが、と。鈴は商船で構わないと答えた。それで下官が商船のひとつに話をつけてくれたのだった。
 これで慶まで旅ができる。采王が裏書きしてくれた旌券があれば、景王《けいおう》に会うことだって難しくはないだろう。
 ——会える。
 同じ蓬莱《ほうらい》から来たひと。きっと鈴を分かってくれるこの地上で唯一のひと。
 
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%