日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

十二国記355

时间: 2020-08-30    进入日语论坛
核心提示:「首都州はかならず国の中央にあると思ってよい」 遠甫《えんほ》は卓の上に慶国《けいこく》の地図を広げた。地図といっても陽
(单词翻译:双击或拖选)
「首都州はかならず国の中央にあると思ってよい」
 遠甫《えんほ》は卓の上に慶国《けいこく》の地図を広げた。地図といっても陽子《ようこ》が故郷で見たような精密な地図はこちらには存在しない。だいたいの位置が分かる、その程度のものでしかなかった。
「慶国なら瑛州《えいしゅう》が中央にある。その周囲に八州。これも太綱《たいこう》によって決められておる。瑛州なら州侯は台輔《たいほ》じゃな。瑛州の土地は基本的に、国官への報賞として割与される。基本的に、国官には給金というものがない。必ず瑛州のどこかに封じられて、その封領から上がる租税《そぜい》から国への上納ぶんを引いた残り、これが給金がわりになる。封領の単位は最小は里《まち》で上納ぶんは半分、これに人頭税——賦《ふ》がつくから、一里を封領として与えられる官吏《かんり》の収入は、成人が田圃《たんぼ》から得る収入より五割ほど多いことになるな。最大は一県じゃ。封領の官府《かんしょ》の長官は領主が任命することができる。——これは州都のある郡《ぐん》も同様じゃな」
「首都郡を割与して、州官の報賞にするわけですね」
「そういうことじゃ。これの良い点はどういうところだと思うかね?」
 陽子は首を傾けた。
「こちらには紙幣《しへい》がないから、官吏の給与をお金で与えると家に持って帰れない……なんてことじゃないですよね」
 遠甫は笑う。
「為替《いてい》があるから、その心配は必要ないのう。——官には土地を与える。すると、国に飢饉《ききん》が起こったときには、官吏の給金は必然的にきりつめられる」
「ああ、なるほど。給料を下げたり上げたりしないでも、勝手に増減するわけだ」
「そのとおりじゃ。——悪い点は?」
「官吏が専政を布《し》けること?」
「そうじゃ。——いちおう、首都州には必ず牧伯《ぼくはく》がいて、郷《ごう》、県の各府に刺史《しし》を派遣《はけん》して政《まつりごと》を監督するが、必ず隅々まで目が届くというわけではない。刺史は県正《けんせい》と同格の扱いじゃが、その刺史と県正が癒着《ゆちゃく》して勝手をすることもあるな。租税は国によって決められておるが、賦は定められた範囲内で勝手に徴取できる。だから首都州の民は領主が代わるたびに一喜一憂する」
「……なるほど」
「ここ固継《こけい》のある北韋郷《ほくいごう》なら現在は黄領《こうりょう》じゃ。つまり領主がおらんで、台輔《たいほ》が統治しておられる。——昔は和州侯《わしゅうこう》の所領じゃったな」
「和州侯……呀峰《がほう》」
 陽子は眉《まゆ》をひそめた。呀峰は諸侯の中で最も悪名が高い。奸智《かんち》に長けた陰湿な男だと言われているし、州の政《まつりごと》に関しても酷薄、罷免《ひめん》せよという声も多いが、なかなかその契機を与えない。
「呀峰は予王《よおう》の登極《とうきょく》にあたって夏官長大《かかんちょうだい》司馬《しば》に任じられ、北韋のある北韋郷|黒亥県《こくいけん》を封じられた。のちに和州侯に任じられて去ったが、それを聞いた民の中には、やっと呀峰から解放されると泣く者が多かったというな。——呀峰は尾のない豺虎《けだもの》じゃよ。危険じゃが、捕らえる手がかりがない」
「六官も手を焼いています。——調査をしているけれど、罷免に足る証拠が出てこない」
「だろう。——そんなことは、ともかく——?」
 扉を叩《たた》く音が聞こえて、遠甫も陽子も顔を上げた。
「おじいちゃん、お使いだよ」
 書房《しょさい》に桂桂《けいけい》がそう言って飛びこんできた。
「おお。すまないな」
 遠甫が桂桂から手紙を受け取る。その場で開いて、ほんのわずか、陽子のほうを困惑したように見やった。
「……なにか、悪い知らせですか?」
 いや、と遠甫は手紙をたたむ。
「すまんが、陽子、今夜は来客がある」
 夕食のあとの授業ができないのだと悟《さと》って、陽子はうなずいた。桂桂が遠甫を見上げた。
「お客さん? ご飯とお部屋の用意がいるね」
「ああ、構わなくて良い。夕餉《ゆうげ》の後にいらして、今日のうちにお帰りになる。儂《わし》が良いようにするで、構わずお前さんたちは寝てしまいなさい」
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%