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十二国記419

时间: 2020-08-31    进入日语论坛
核心提示: 労はあまり人相の良くない男だったが、話し始めると闊達《かったつ》だった。院子に置いた石案《つくえ》に向かい、三騅が飼《
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 労はあまり人相の良くない男だったが、話し始めると闊達《かったつ》だった。院子に置いた石案《つくえ》に向かい、三騅が飼《か》い葉《ば》を食《は》むのを見ながら、とりとめもない話をする。
「——へえ、才《さい》から。そりゃあ、大層な旅をしたもんだ」
「船に乗ってただけだから」
「慶はどうだい。才に比べりゃ、寒いだろう」
「あたし、朱旌《たびげいにん》に交じってあちこちをうろうろしたから」
「へえ」
 労が言ったところで、大門を叩《たた》く音がした。労はおどけて顔をしかめてみせる。
「やれやれ。やっと来たか」
 労が扉を開け、二、三言の低い会話の末に現れたのは、馬を引いた鈴と同じ年頃の娘だった。労のような茶斑《ちゃまだら》もそうだが、紺青《こんじょう》の髪が、鈴にはひどく珍しい。
「これでやっと二十が到着だ」
 労は大げさに苦笑してみせて、娘に石案《つくえ》を示した。
「あんたもゆっくりしな」
 でも、と労を見上げる娘に、彼は苦笑する。
「悪いな。三十そろわないことには、この娘さんから代金がもらえねえ。代金がもらえないことには、あんたに払ってやる金がない」
 鈴は声をかけた。
「あの、なんだったら、先にお金を——」
 労はぴしりと手を挙《あ》げる。
「やめな。俺のところじゃ、そういう商売はしない。俺は中継《なかつ》ぎをするだけで、ものを売り買いしてるわけじゃないからな」
「あ……はい」
 労はにっと笑って、娘を振り返った。
「そういうわけで、あんたも待ってくれ。苦情は遅れてきた奴に言うんだな。——あんたも茶でいいかい?」
「はい……」
 うなずいた少女を鈴はまじまじと見た。顔かたちの綺麗《きれい》な少女だ。歳の頃は本当に同じくらい。労に促《うなが》されて陶製の椅子《いす》に座った少女は、ほんの少し鈴を見つめ、すぐに三騅《さんすい》に視線を移した。
「……三騅ね」
 少女がつぶやくので、鈴は首をかたむける。
「知ってるの?」
「以前、見たことがあるわ」
「そう……。あたし、拓峰から来たの。鈴っていう。——あなたは?」
「明郭《めいかく》から来たわ。名前は祥瓊《しょうけい》」
「……同じくらいかしら。いくつ?」
 祥瓊は少し考えるようにする。
「……十六」
 自分は、と言おうとして、鈴は少し戸惑った。自分の年齢をいくつだと言えばいいのだろう。こちらに流されたのは数えで十四、こちらの数え方で十二歳のとき。それから四年以上あちこちを流れて昇仙《しょうせん》したのだから、やはり十六と言うべきなのだろうか。
「ええと……あたしも、それくらい」
 鈴が言うと、祥瓊はわずかに首をかしげたが、それ以上なにも言わなかった。
「祥瓊は慶のひと?」
「いいえ。芳《ほう》から来たの」
「芳? ——北西の虚海《きょかい》の中の国?」
「ええ。四極国《しきょくこく》のひとつね。——あなたは?」
「あたしは才から来たの。お互いすごく遠くから来たのね」
 本当に、と祥瓊は笑う。鈴はようやく肩の力を抜いた。
「なんか、嬉しい。慶ではあんまり同じ年頃の女の子を見ないから」
「本当にね。……あなたはどうして、こんな遠くまで来たの?」
 鈴はわずかに首をかたむける。たくさんのことを考えて旅をしてきた。——全部が昔の話になってしまった。過去の望みはいまの鈴にあまり関係がない。
「……なんとなく」
「なんとなく、慶まで?」
「ええと……最初は、景王《けいおう》が同じ年頃の女王だって聞いたから」
 祥瓊は軽く目を見開いて瞬《まばた》いた。
「——しかも同じ海客《かいきゃく》だって」
「あなたも……倭国《わこく》の人なの?」
「うん、そう。だから、なんだかこちらに居場所がなくって、同じ蓬莱《ほうらい》の人の国なら居場所を見つけられるかな、って。——どうかした?」
 祥瓊はきょとんと目を見開いたまま、鈴が問うと、少し複雑そうにしてから、軽く笑った。
「わたしも——」
「え? あなたも海客?」
「ううん。わたしも、景王の国が見たくて来たの」
 え、と鈴は絶句した。
「——同じ年頃の女王だから」
「……不思議。じゃああたしたち、芳と才から景王に会いに来て、ここで会ったの?」
「そうみたいね」
「……すごい」
「ほんとう」
 くすくすと鈴と祥瓊が笑っていると、こら、と背後で労の声がした。
「そんな立ち入った話を勝手にするんじゃない」
 鈴がきょとんと振り返ると、渋い顔をした労が湯呑《ゆの》みを持って立っていた。
「ここで会う連中はお互いの話をしないんだ。それが俺の流儀だからな」
「ああ、……ごめんなさい」
「俺は物の仲介をするが、人の仲介はしない。俺を頼ってくる奴は、わけありの連中ばかりだ。——妙な連中なら院子《なかにわ》の中に一歩だって入れやしねえが、お互いにわけありなら、余計なことは知らんほうがいい」
 はい、と鈴は首をすくめ、ちらりと祥瓊を見た。同じようにちらりと寄こした祥瓊の視線とわずかに交わった。
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