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十二国記430

时间: 2020-08-31    进入日语论坛
核心提示:「大丈夫かしら」 鈴《すず》は妓楼《ぎろう》の窓から卯門《ぼうもん》の方角を見やる。混乱する街の中、すでに夕闇《ゆうやみ
(单词翻译:双击或拖选)
「大丈夫かしら……」
 鈴《すず》は妓楼《ぎろう》の窓から卯門《ぼうもん》の方角を見やる。混乱する街の中、すでに夕闇《ゆうやみ》が落ちようとしていた。
「大丈夫だ、陽子なら」
 虎嘯《こしょう》が請《う》け合って、異論を唱《とな》える理由もなく、鈴はそっと不安の息を吐いた。
「二百やろうと言うものを、陽子が百でいいと言ったんだ。勝算があってのことだろうよ」
 陽子は昇紘を殺さずに捕らえてくれるなら、百でなんとかすると請け負った。
「それより、鈴は自分の心配をしなきゃ」
 弓に弦を張っている夕暉《せっき》に言われて、鈴は大丈夫、と答えた。
「三騅《さんすい》はあたしでないと、御《ぎょ》せないもの」
「夕暉を頼む、鈴」
 虎嘯に言われて、鈴はうん、とうなずいた。
「それより、夕暉は? ちゃんと弓がひける?」
「大丈夫。そんなに上手《うま》くないけど、下手《へた》でもないから」
 言って夕暉は複雑そうに笑う。
「少学への選挙《すいせん》で、成績が同じ品性も同じくらいの学生の優劣を、どうやってつけるか知ってる?」
「知らない。——ひょっとして弓?」
「そう。弓射《きゅうしゃ》をやって決めるんだ。だから、かなり練習したし」
「そっか……」
 夕暉は官吏《かんり》になりたいだろう。この国でひとかどになるといえば、まず官吏になることで、夕暉にはそれになれるだけの利発さがある。実際、夕暉の読みは面白《おもしろ》いぐらい当たった。
 ——まず、二十人で昇紘を挑発する。
 内環途《ないかんと》の屋敷を焼き討《う》ちにかかった二十人、彼らはいまごろどこまで逃げただろうか。そして今度は三十で義倉《ぎそう》の襲撃を。
 義倉とは凶作に備えて穀物をためておく倉だった。それに火を放つというのだから、夕暉は恐れを知らない。
「本当に燃やすつもりはないし、万一燃えてしまったところで、どうせ昇紘が飢えた人のために出してくれるはずなんかないもの」
 そうすれば、昇紘は義倉を警戒する。義倉を襲った連中が逃げれば、これを激怒して追う。周辺から師士《しし》を呼び戻し、郷城の守りを固めるだろう、と夕暉は言ったし、事実そのとおりになった。
「次に閑地《かんち》の邸宅を襲う。これには二百を投入する。屋敷に立てこもって、しばらく州師をひきとめておいてもらわなきゃならない」
 過去の二件の事例から、昇紘は瑛州との州境に師士を派遣しようとするだろう。過去の犯人が二十と三十、そこに二百の叛乱民が現れれば、それが全てだと思うだろう。挑発に怒った昇紘は、郷城の中のほとんどの兵を屋敷に向かわせる可能性が高い。
 そして実際、州師二|旅《りょ》と師士の半数が屋敷を包囲し、州師一旅が街道を封鎖に向かっている。拓峰に残ったのは師士五百と護衛五百、そのうちの半数が午《ひる》過ぎにはさらに屋敷に投入されて、残りは市街の監視だの郷城の警護だの、義倉の警護だのに分散している。
 虎嘯は大刀《だいとう》を立てた。軽く鐓《いしづき》で地を打つと、長い柄の先の刀が光る。
「郷城に残った阿呆《あほう》どもが二百あまりだ」
 言って鈴を振り返る。
「弩《いしゆみ》に気をつけろ。明かりの側にいると狙《ねら》われるぞ」
 鈴は短剣を抱いてうなずく。郷城に向かう有志八百余、ろくな甲器《ぼうぐ》はない。
「——行ってくるか」
 窓の外に夜陰《やいん》が落ちた。
 妓楼《ぎろう》を出ていく鈴たちを数人の人々が見送る。彼らと市街に散った数十の人々には、これからまだやるべきことがある。
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