日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

十二国記432

时间: 2020-08-31    进入日语论坛
核心提示: 郷城には四門《しもん》がある。そのうち南門を正門とも朱雀門《すさくもん》とも呼ぶ。その正門の門卒《もんばん》たちは、い
(单词翻译:双击或拖选)
 郷城には四門《しもん》がある。そのうち南門を正門とも朱雀門《すさくもん》とも呼ぶ。その正門の門卒《もんばん》たちは、いきなり門闕《もん》の前に現れた数百の民に仰天《ぎょうてん》した。手に手に武器を携《たずさ》えて壕《からぼり》に渡した門橋を駆け抜けてくるのを見て、あわてて城門を閉ざしにかかった。——兵や官の出入りのために今夜はあえて閉ざさずにおいたのだった。
 先頭に立った騎馬が門を閉ざすまえに殺到し、たちまちのうちに門卒たちを倒す。閉じかけた門扉《もんぴ》が大きく開かれ、門闕上の箭楼《みはりば》に向かって武装した民が駆け上がっていった。
 箭楼にいた師士《しし》たちは、昇紘《しょうこう》が己《おのれ》の虚栄のために作らせた過剰な装飾とその高さに身動きがとれなかった。門闕の高さ約九丈、すでにこの高さでは、明かりがなければ門下の人影が判別できない。しかも見晴らしのよい望楼であるべき箭楼は、門外に面してこけおどしの装飾がほどこされ、おそろしく視野を遮《さえぎ》った。とにかく弩を射て箭《や》を放ってはみるものの、どれだけが命中したのか定かでなかった。
 弩《いしゆみ》に箭をつがえるのには時間がかかる。三射目をつがえ終える前に民が駆け上がってきて、たちまちのうちに投降を余儀なくされた。急を知らせる篝火《かがりび》も、果たして用を足したのか、応答のないままに消し倒される。
 一部の師士《しし》は歩墻《ほしょう》を走り、あるいは城内に駆けこみ、各所に散った師士たちに急を知らせようとした。それらの多くは追いすがった民の矢をうけて、虚《むな》しく地に倒れ伏す。
 いったん開かれた城門が、民を呑《の》みこんで閉ざされた。
「懸門《けんもん》をおろせ!」
 怒声とともに、箭楼《みはりば》下部の滑車が動き始める。門扉《もんぴ》の内側に厚い一枚扉が、門道に刻まれた溝に沿って音をたてて降りていく。門道を断ち切る深い穴に、懸門が完全に落ちるのを見届けて、鈴《すず》はすでに内城を隔てる中門へと走る人々の群れを追った。
 短い距離を駆け抜けると、すでに中門は閉じて、ここにもある懸門の降ろされる音が聞こえた。中の師士らが防衛のために門を閉じたのだ。ふつうなら内城の入り口である中門は簡素なものだ。内城をとりまく囲墻《かこい》も、民家の墻壁《へい》よりも高く厚い程度でしかない。城壁とつながり一体になった内城壁、ほとんど正門と遜色《そんしょく》のない中門の威容が、これを作らせた昇紘の性向をよく表している。
「——鈴!」
 虎嘯《こしょう》の声に振り返り、鈴は駆け寄ってくる虎嘯に手を伸ばす。その手を取って虎嘯が三騅《さんすい》の上に飛び乗ってくるやいなや、嫌《いや》がって身をよじる三騅を叱咤《しった》して跳躍させた。
 三騅は軽々と城壁を越える。歩墻の上に三騅の足が着く前に虎嘯が飛び降り、鈴は歩墻の上で三騅の向きを転じて、門の外に舞い戻る。五度往復して男を運ぶと、六度目には中門の箭楼から快哉《かいさい》があがった。
「よっしゃ」
 声をあげて三騅から飛び降りる男を、虎嘯が迎える。
「中門を開ける! 鈴、全員を内城に入れろ!!」
「はいっ!」
 三騅が門前に戻ったときには、中門が内側から開かれるところだった。開いていく門扉の向こうに上がっていく懸門が見え、さらにはその向こうに駆けつけてくる師士の群れが見える。
「——夕暉《せっき》、乗って!」
 鈴は騎上から夕暉を促《うなが》した。弓をたわめた夕暉は中門の向こうに矢を放つと、うなずいて駆け寄ってくる。差し出した鈴の手に夕暉の手がからんだ。騎上に引き上げれば、三騅が不満そうに嘶《いなな》く。その首筋を鈴は叩《たた》いてなだめてやる。
「いい子だから嫌がらないで。——夕暉、怪我はない?」
 大丈夫、と背後で声がする。
「鈴、声をかけたら前倒しになって。弓がぶつかるから」
「分かった」
 言って鈴は三騅を走らせる。中門を抜けたところに仁王立つ虎嘯が軽く大刀《たち》を掲《かか》げた。
「全員抜けたら中門を閉めろ! 一気に昇紘のところへ行くぞ!!」
 応える声が門道を揺るがせる。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%