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十二国記433

时间: 2020-08-31    进入日语论坛
核心提示: 歩墻《ほしょう》を、武器を掲げた民が走る。各所に設けられた敵楼《つめしょ》へと突入していく。 確実に城壁を占拠していく
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 歩墻《ほしょう》を、武器を掲げた民が走る。各所に設けられた敵楼《つめしょ》へと突入していく。
 確実に城壁を占拠していく仲間を背後に、駆けつけてくる師士《しし》を数で押し切って、鈴たちは郷府の奥へと走る。最深部にある昇紘の官邸へ向けて。
 夕暉に跳べと言われる度《たび》に、鈴は三騅《さんすい》を軽く跳躍させた。高くなった視野に、狼狽《ろうばい》しきった郷城の様子が飛びこんでくる。駆けつけてくる者があって、逃げ出す者がいる。人の動きは混乱を極めた。逃げていくほうが圧倒的に多いのは、市街の外の州師、師士が駆けつけてくるのを待つ気だからだろう、と夕暉は言う。
「——来るかな」
「もちろん、来るさ。でも、城壁と城門はこちらが完全に押さえたから入ってくるのに時間がかかる。その前に昇紘を捕まえられれば、連中の士気は格段に落ちるんだけどね。——鈴!」
 夕暉の声は悲鳴じみていた。鈴は三騅の着地する先を見やり、息を呑《の》む。師士《しし》が二人、斧《おの》を構えて待っていた。三騅は飛翔できない。騎首を転じる暇もなかった。
 三騅を斬《き》られる。
 思わず目を閉じ、かろうじて悲鳴を呑みこんだ。
 三騅の嘶《いなな》きと重い衝撃、その後に地に降り立って、三騅の下降が止まる。
「——陽子!」
 夕暉の声に鈴は目を開けた。師士の二人はその場に倒れ伏している。
「……助けて……くれたの」
 半分だけ、と陽子の声は低くとおる。
「半分は三騅が蹴《け》り倒した。——その騎獣は利口だな」
「——あちらは」
 夕暉の声には安堵《あんど》感など欠片《かけら》もない。
「まだ続いてる。かなり有利になったから、後を任せて抜け出してきた」
「有利って……」
 夕暉の声に対する、陽子の声は低いが快活だった。
「駆けつけて来れる州師はたぶん、半分には減ったと思う」
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