男と女が、お互いに好きになって、つき合いが始まって、ますます好きになり合って、恋愛が進行していくわけです。
そこには、別々の二人の人間がいるのですから、同じひとつの恋愛関係を持っているとはいっても、それぞれの思惑は違うわけなんですね。考えていることは、違う。二人で同時に体験したことの感じ方も、違うんです。
まず、そういう「違う」ということを、しっかり認識してくださいね。
二人はやっぱり、違う人間なのだから、恋愛をうまく進行していくためには、それなりの努力が必要なんです。そりゃ、自然な感情のおもむくままに、二人の気持ちが同じように盛り上がっていって、うまくいくケースもあるでしょう。
でも、無策で失敗するケース、恋愛という形にまで進まずに終わってしまうケースが多いことは、いうまでもありません。
だからといって、変にがんばっちゃって、策をろうしすぎて破綻《はたん》を生じてしまうケースだってあります。オトコジュンジョーは押しの一手だ、と思っている人は、すぐに改心してほしいですね。そういうことを考えてる限り、一〇〇パーセント、女のコにはモテませんね。
押したり、引いたり。恋愛というのは、だましっこなんだと思うんですよ。恋愛はゲームなわけ。相手の反応を見て、押すがトクか、引くが有利か、戦略的に恋愛作戦を進めていくわけですから、自分のなかに、それまでに経験してきた「恋愛チャート」が豊富にあればあるほど、変愛戦線はうまく盛り上げられるわけなんですね。
実際の話、ボクだって、こうした「チャート作り」の苦闘の連続だったわけです。やっぱり、ボクだって、最初のうちは恋愛ポット少年だったのです。押すだけ。
押しっぱなしで、相手の女のコの反応や思惑に目が向けられなかった。それで失敗したケースが、たくさんあります。
しかし、失恋は、前にも書いたとおり、恋愛の勲章なんです。失恋を恐れていてチャートは増やせないんです。ボクは、度重なる失恋体験のなかから、現在の恋愛チャートを完成させてきたわけです。失恋を怖がってはいけませんね。(ボクの涙と汗の結晶である貴重な恋愛チャートについては、次の章でくわしく伝授することになっています。すぐにチャートを学びたい人は、飛ばし読みしてもいいですよ。)
そこで、みなさんに、ボクの恋愛歴をご紹介することにしました。康夫ちゃんて、どんな恋愛をしてきたんだろう? さぞ変わった恋愛をしてたんだろうな。そんな風に思っている方も、おありでしょうが、答えはNO。実に当たり前の恋愛であります。
当たり前の恋愛を繰り返し、ありふれた失恋を重ねることによって、恋愛チャートが生まれるんです。
そして、また新しい恋愛に飛び込んでいけるわけです。
つまり、ボクの恋愛遍歴は、みなさんのこれからの恋愛のための参考書、というわけです。康夫ちゃんの失敗や成功の体験を、物語として楽しんで、今後の恋愛作戦に役立ててほしい、と思い、こうして洗いざらい、紹介しちゃおうというわけです。