相手に多大な期待をかけない、ということは、裏返せば、自分もまた、相手にとって完璧《かんぺき》な存在ではない、ということの認識でもあります。
したがって、初めてのデートのときに、あまりあれもこれもと、繕《つくろ》わないことです。具体的にいえば、最初のデートのときに、自分のことをよく見せようとがんばりすぎちゃって、洋服なんかでも考えすぎて、失敗するといったケースが、考えられるわけです。
何度かつき合って会ってみないことには、相手のコが喜ぶかどうか、なんてことはわからないんですから、初めから構えすぎると、必要以上に良くない印象を与えてしまうことがあるんですね。
相手のコがこうだから、結構ちゃんとした服を着てったほうがいい、とか、こういうコだから、さりげない格好のほうがいい、とか。こういうことを見分けるには、かなりのキャリアが必要なんですが、まず第一に避けなきゃならないのは、自分を繕いすぎて理由もなく嫌われる事態ですね。
いろんな雑誌に載っているような服装や、お化粧なんかにとらわれすぎると、構えすぎ、ととられて、
「このコ、かわいいけど、なんとなくつき合いにくいな」
と思われる危険があるわけです。
努力は認めますが、努力しすぎると逆効果になるんですよ。あるいは、相手が遊び慣れていたりなんかすると、
「こいつ、結構、なんか期待して来ているんじゃないの」
と思われて、モテアソバれることすら考えられます。また、マジメな少年でも、
「こんなに気ばられると重ったるい」
ってことで、敬遠されるかもしれません。
あまり、いいところばかり見せようとしては、逆に損をするということなんですね。ボクがいっている「よそ行き顔」というのは、もちろん心のなかには持っていなければいけませんし、ある程度、外にも出さなければダメですが、最初から、つまり、相手が自分のことを第一印象でとらえようとしているときから、強くこれを意識していると、逆にぎこちなさを、相手に感じさせてしまうわけです。
おしゃべりや、ひとつひとつの仕草のなかに、「よそ行き顔」が出ていればいいのであって、外見だけに固執すると、うまくいかないことが多いみたいです。