つき合い始めのころの会話というのは、外見と同じ程度に、相手に与えるインパクトは大きいと思います。外見とおしゃべりだけで、ほとんどファースト・インプレッションというのは決まってしまうと思うわけです。
だからといって、これも、あれもと話題を用意していって、次から次へとしゃべりまくったとしてもいい印象になるわけがありません。会話のコツは、相手に合わせてあげる、ということでしょうね。
しかし、初めから共通の話題というのは、なかなか見つけにくいものです。しかも、男のコと女のコと、それぞれの環境やレベルが違うんですから、なおさらです。
こういうときには、女のコのほうが、男のコを見る目を養っておいてほしいと思います。相手の男のコが、どの程度のランクにいるコなのかを、すばやく察知して、そのランクに応じて対処したほうがいいんです。
学生でも、会社員でも、あらゆるジャンルにおいて、男のコのほうが、どちらかといえば女のコよりも交際範囲が広かったり、知識が豊富だったり、行ったことのあるお店の数が多かったりと、まあ勝っている場合が多いわけです。それを踏まえたうえで、女のコが、どのへんのランクにいる男のコかを判断するべきですね。
たとえば、車の話になったときに、もし、相手の男のコが車を持ってないのだったら、車に関連した話題はなるべく避けるか、あるいは、早めに切り上げるように、うまく話を持っていく、ということは、女のコがやったほうがいいですね。
話をしているときは、つねに相手の顔を見るようにして、話題と表情との関係から、「当たり」をつけ、ランキングをつけていくわけです。知的レベルのランク、遊びのランク、使えるお金による経済的ランク、いろいろなランクがありますね。
全般的には男のコが、会話をリードしたほうがいいと思いますが、女のコも、無神経ではいけません。男のコは、とりあえず、相手をホメる、ということを忘れてはいけません。
「髪形がすごくいいね」
こういったときに、
「そんなことないもん、きょう、全然ひどいの」
なんて返ってきても、
「どうして? そうでもないよ、きれいだよ」
と、悪びれずにいうことが大切です。
あるいは、何かコロンのようなものをつけていたら、
「それ、すごくいい匂《にお》いだね。何なの?」
などときいてあげることです。お洋服をホメ、身につけているアクセサリーをホメ、
「どこで買ったの?」
とかいって、話題を広げるように努力することですね。
ただし、ここで注意しなければならないのは、女のコには、つねに何かモノを買うときに決まったお店で買うタイプと、そうでないタイプがいる、ということですね。
高校生だったら、キャビン、クリスチーヌ、大学生だったら、アルファ・キュービックとかノーマ・カマリ、こういう風に見に行くブティックを決めていて、そこで選んで買うというコと、まったく決めてないコがいるわけです。パルコの地下を見ていて、「あ、これいい」といって買ってくる女のコは結構いる、ということです。
「どこで買ったの?」
「ウン、109で買ったの」
と答えた場合、それ以上突っ込んで、
「109のどこ?」
とはきかないほうがいいみたい。109へ行って、パッと目についたものを買ってくる女の子というのは、109の地下一階か二階かで買ったのは覚えていても、どこのお店だったかは覚えていないんですよね。そこで「どこ?」ときかれると、ことばに詰まってしまうわけなんです。せっかく、着ているお洋服をほめてあげたのに、相手の女のコにショックを与えてしまうことになります。これは失敗。
こうしたことは、つねに相手の反応を見ながら、話題を開拓していく、というチャートとして理解しておいてほしいわけなんですね。女のコにしても、相手のランクを外れた突っ込みをすると、失敗しちゃいます。
車の話をしていて、男のコが、
「ソアラに乗ってるんだ」
といったとします。このとき、このセリフが、
「自信満々で�ソアラ�といった」
のか、
「一応、�ソアラ�に乗ってる」
という意味なのかを、表情なり、口調なりから感じ取ってほしいわけです。そこを考えずに、たまたま、女のコが知っているソアラのなかでも、上級なクラスの車種の名前をいったりすると、逆に男のコのほうが、それよりレベルが下だったりして、気まずくなることもあるわけ。むずかしいもんです。