患者は一六歳、高校二年生。相手の男のコは一七歳で、同じ高校二年生。
「私のヒトシ君は暴走族に入ったんだけども、とうとう事故《じこ》っちゃったんです。彼の突っ張った一直線な生き方が好きだったんだけども、私は族《ぞく》には反対してました。それに、私は大学に行くつもりで勉強してますが、ヒトシ君は高卒で就職するといってます。事故ってもバイクはやめそうにないし、結局私のいうことを少しも聞いてくれないわけ。昔はそんなヒトシ君の性格がいいと思っていましたが、私の気持ちがぐらつき始めています。よきアドバイスをお願いします」
はっきりいって、ぐらついたら別れるしかないですね。
基本的に、あなたが大学に行って、彼が就職するとなれば、お互いの社会的な環境が違ってくるわけです。自由になる時間帯も違えば、それぞれの周囲にいる人間も大きく変わり、会ってみても、話題もかみ合わなくなって、どうしようもなくなってきちゃいます。環境の違いがすごく開いてしまうのですから、しようがありません。そのような状況では、遅かれ早かれ、あなた方が別れるというのは、自明の理なんですね。
ところが、最近は、正直いって何が起こるかわからない時代になってきました。
明らかに環境が違いすぎるくらい違う、お茶の水女子大の女のコが、名前を聞いたこともないような大学の男のコと駆けおちしてみたり、なんていったことが実際に起きてしまうような時代なんですね。
そこで、考え方によっては、つき合い続けるというのも一案としてあります。どうせ大学にいっても、周りには恋愛し慣れていない男のコばっかりなわけですから、そういう環境のなかで勉強しながら、一方では、族に入ってギラついてる少年とつき合うというのも、なかなか刺激的で、毎日の生活にハリが出てくるという期待も持てるでしょう。
つまり、当然のことなんですが「つき合いたければつき合う」ということしか、いえないわけですよ。やはり、問題は、あなたと相手の男のコ次第だ、ということです。