セックスのアフターケアについても書いておきましょう。セックスをしたら、その相手とは、短い時間しかおかずに、次に会う日を設定しておく、ということが必要です。
セックスを初めてした相手と、ずいぶん時間が経っちゃってから会うと、セックスをしたことについて、あなたのほうに迷いがあるか、物足りないと思ったか、そのどちらかだ、と受けとられる可能性が高いからです。わざと、そう思わせたかったら別ですが、そうでなきゃ、セックスをした次の日は、どんなに自分のスケジュールが詰まっていても、万難を排して会うようにするべきですね。
早目に、いっぱいセックスをして、情に訴える。男のコの情を移させて、別れられなくさせる、というテもあるのですからね。
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〔恋愛臨床学 カルテ㈭〕
患者は一七歳、高校三年生。相手は二六歳、妻子ありのサラリーマン。
「すごく悩んじゃってます。バイト先で好きな人ができちゃったんです。彼のほうから声をかけてきて、食事しようって。三回目のデートのときにキスされてしまいました。うわさでは彼は二六歳で妻子ありなんだけども、一緒にいるとすごく安心して頼れるから私にはピッタリという感じです。相談なんですが、次のデートのときにきっとCまで求められるというような予感がしてます。私はどうしたらいいのですか。もちろん私はいまどきまだバージンの女のコです」
結論から先にいいましょう。
もう、これはCまでやるしかありません。
ボクが一貫していっているように、まず経験してみなければ、何も始まらない、というのが、基本原則です。
いま、「気分の時代」といわれているのは、実際に手にとって触れられるもの、感覚で確かめられるものこそが素晴らしい、という時代だからなんですね。少しむずかしくいえば、形而下《けいじか》的なものにこそ価値がある、という時代です。
物質的、感覚的なものが価値ある時代なんですから、純文学的な、形而上学的なものに価値があると思い込んでいる作家センセイたちの考え方は、あなたみたいな昭和四〇年代生まれの人たちが、崩していかなければいけません。
こういうセンセイたちは、いまだに焼き肉屋さんまで銀座の女のコを連れていって口説いて、それでもダメならタクシーのなかでも口説き続けて、それからやらせてもらおう、などと考えているような人たちなんです。それでいて、口先だけは、青春文学のみずみずしさについて語っちゃったりしちゃいます。こういう思い違い、時代錯誤は、あなたのような人たちが、まず、実践によってつき崩していくべきですね。
相手が妻子持ちでも、いっこうに差しつかえありません。いまのあなたは、別に、結婚のことなんか考えなくていいからです。
むしろ、あなたのように、恋愛経験がほとんどない場合は、妻子持ちの相手が、上手にリードしてくれたほうが、あなたが恋愛において磨かれる可能性が高い、とさえいえます。
逆に、同い年くらいの男のコとつき合った場合、あなたとは関係なく、相手の男のコのほうが、えらい真剣になってきてしまい、あなたが今後、他の男の人とつき合って、並行恋愛を進めていきたいと思うようになったときに、その男のコがあまりに嫉妬《しつと》して支障をきたす、ということもありうるわけです。
また、あなたも含めて、二人ともが燃えあがってしまい、お互いに、他の人との恋愛を経験することなく、そのままゴールインにまで突っ走るというケースもありえます。これは、将来、お互いの愛が移ろい始めたときに、大きな悔いを残すことにもなるんです。
中年の人との最初の恋愛はひとつの理想。進んでCまでいくべきです。