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恋愛自由自在47

时间: 2020-09-13    进入日语论坛
核心提示:一日コースは素敵な庭から始めます 丸一日コースですと、ボクだったら、まず、「畠山記念館」とか「原美術館」とかいうあたりか
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 一日コースは素敵な庭から始めます
 
 丸一日コースですと、ボクだったら、まず、「畠山記念館」とか「原美術館」とかいうあたりから始めますね。
 原美術館は庭もいいし、アール・デコ調の建物もステキです。白金台にある畠山記念館のほうは、荏原《えばら》製作所が作ったもので、お茶の道具なんかが飾ってあります。隣には、般若苑《はんにやえん》という料亭っぽいお店もあって、おまけに庭がすごくきれいなんですよね。
 で、そこらを見て、車で「キャピトル東急」まで行って、そこの「欅《けやき》グリル」かなんかで、お昼にします。昼食どきはサラリーマンなんかでいっぱいですが、一時半ごろになると、もう、ガラーンとしちゃいます。
 それから、どこへ行きましょうか。
 あとは車で、荒川の土手のほうに行きたいですね。エーッ、荒川の土手だって? なんてバカにしちゃいけません。豊島五丁目団地を左側に見ながら、赤羽の岩淵《いわぶち》水門のあたりまで行くんです。ここらは、荒川河川敷ゴルフ場があったりするんですけど、岩淵水門のとこに、小さなほこらみたいな神社があるんですね。そこは、もう、昼間でも、完全に時間が止まったようなところなんです。のんびりとしてね。
 それから都心まで帰ってくるとか、あるいは、王子のあたりで古河庭園とか、駒込《こまごめ》の六義園《りくぎえん》に寄ってみるとか、ね。晩ごはんは、まあ、どこでもいいでしょう。このあたりのコースについては、こんな風に小説のなかで書いています。
 ≪車は、御殿山交差点を左へ折れた。五十年代から六十年代にかけての現代美術の作品を展示した原美術館は、道路沿いに続くユーゴスラビア大使館の白い塀がとぎれたところにあった。
 門を入った左手に車を停めて外に出ると、プーンと、甘い軽やかな匂いがした。見ると、駐車スペースのはずれに、何本もの金木犀《きんもくせい》の木がある。私はそばに寄って、そっと、手で枝をつかむと、少し赤みがかった黄色をした花の匂いをかいでみた≫
 ≪狸穴坂《まみあなざか》のマンションを出る時には、かなり降っていた雨が、古川橋、清正公前を通って高輪台の交差点に近づくにつれ、小降りになってきた。ゆるやかな上り坂になった交差点を、手前右に曲がると、住宅街の中の細い道になる。左右にくねったその細い道をしばらく行くと、真ん中に大きな櫟《くぬぎ》の木の植わった、美術館の駐車場があった。
 ニューヨークから帰ってきて初めて、完全に仕事がオフになった木曜日の昼すぎ、私は畠山美術館を見に行くことにした。白金台にあるこの美術館へは、学生時代にも一度、同じクラスだった女の子と一緒に来たことがある≫
 ≪公園脇にある水門のところで、車を降りた。水門には、岩淵水門と書かれたプレートがついている。ちょうど、この水門を境にして、荒川から別れた隅田川が始まっているみたいだ。私たちが通ってきた土手は、ここでとぎれて、道は水門の上を通って、向こう岸の赤羽へと通じている。(中略)
 フーッと息を吹きかけて、細かな砂をベンチの上から吹き飛ばしてしまうと、私たちは二人並んで腰を掛けた。
「いいところね、静かだし、それに、のんびりとして、牧歌的な感じもするわ」
「ね、穴場でしょ。みんな知らないから、このあたりは」≫(『ブリリアントな午後』)
 
 夜に横浜あたりへお出かけすると、車で出かけて、中華街でごはんを食べてから、本牧《ほんもく》のほうにある「リキシャ・ルーム」というバーへ行くか、あるいは、山下公園の近所にある「スカンディア」にしてみる。
「スカンディア」は、名前のとおり、スカンジナビアのお料理とバーになってます。
 昼間のうちに横浜に行っちゃってた場合は、山下公園の向かい側にあるシックなホテル「ニューグランド・ホテル」でお茶してから、本牧、元競馬場のあたりにある米軍の住宅のあるあたりとかを、グルグルまわってみるのもいいです。芝生が一面に生えている中に点在する米軍住宅を見ていると、なんだか日本の中の異国へきてしまったような気持ちにさせられます。
 ≪外の白い壁に、ブルーのネオン管で大きな人力車が描かれて、その横に、同じ色のネオン管で、Ricksha Room という文字が書かれたリキシャ・ルームは、本牧|埠頭《ふとう》のそばの小港《こみなと》町にあった。
 タイプライターが載った木製のデスクと書類戸棚、それに、ゴムの木の鉢植えが中に置かれて、横文字でインシュアランスと書かれたガラス張りの、ちょうど、アメリカの田舎町のメイン・ストリートによくある感じの保険代理店の事務所が、横に並んでいる。道路をはさんだ反対側には、米軍基地の金網が続いている。ネオン管の青白い光りに照らされただけの、街灯もないひっそりとした通り沿いに車を停めると、藍鼠色《あいねずみいろ》に塗られた重いドアーを押して、中へ入った。
 最初は、何もわからないくらいに薄暗かった店の中が、目が慣れるにつれて、しだいにはっきりと見えてきた。奥の方には、古いテーブルがいくつかあって、二組ほどのお客が食事をしている。私は、その横にある、バー・カウンターの椅子に腰掛けると、ビールを頼む。その昔は、米軍兵や船員たちで、ごった返していたに違いないバー・カウンターには、私の他には誰もいなかった≫(『ブリリアントな午後』)
 
 たとえば、そうですね、青山はキラー通りにある「ラ・パタータ」って地中海料理屋さんあたりとかで食べて、それから横浜へ行こう、ということになったら、首都高速の横羽線をずーっと行って、東神奈川ランプで降りれば、左に曲がってしばらく行ったところに「スターダスト」というバーがあります。
 それから、少し東京寄りには「大黒埠頭」という自動車輸出用の埠頭があるんですが、そこへ行く途中にある橋が、釣鐘形の感じで、彼の車で走っていくと、なんだか、ジェットコースターみたいな気分も味わえて面白いです。で、大黒埠頭のなかをグルグルしてきて、帰るというのもいいでしょう。
 一泊旅行で、ということなら、渋く、箱根なんてどうでしょう。
 箱根には、「富士屋ホテル」という日本最古のホテルがあります。また、富士屋ホテルの反対側にある「奈良屋旅館」もいいでしょう。奈良屋のほうが、庭が広くてきれいだから捨て難いスポットです。
 軽井沢にお出かけする場合、普通「プリンスホテル」になるんでしょうけど、ボクはホテル「鹿島の森」をおススメしちゃいます。あんまり人のいないほうが、軽井沢の本当の良さが、わかるかもしれません。雨上がりの軽井沢や紅葉の軽井沢は、オセンチな気分を増大させてくれます。
 まあ、箱根にしても、軽井沢にしても、車で行く一泊旅行として、ということですが、新幹線で行くつもりなら、京都あたりもいいかもしれません。「湯豆腐」のおいしい「俵屋旅館」という、これまた由緒ある旅館があります。ボクの短編に俵屋旅館を書いたものがありますから、ちょっと見てみましょう。
 ≪——楽しい二日間になりそうだわ、と思っていたのに、これじゃ、先が思いやられるわ。
 そう思いながら、一人、タクシーに乗って俵屋に着いた。勝久は、机に向かって原稿を書いていた≫
 ≪「檜《ひのき》のお風呂だから、気持いいよ。一緒に入っておいで、広いから」
 原稿が一段落したらしくて、浴衣《ゆかた》を手に持って、次の間の横にあるお風呂へ入りに行った彼が、一人きりになった客間で所在なげに、両手の指を組んだり外したりしていた私に声をかけた。
 タオルで体を隠しながら浴室に入ると、
「檜のお風呂ってね、お湯が冷めにくいんだよ。ふたをしておけば、次の朝まで、温ったかいままなんだ」
 そう言いながら、まだ、桶《おけ》にすくったお湯も浴びていない私の体にキスをしようとした。
「ダメよ」≫
 ≪彼は、和食を食べたいみたいだ。私はといえば、今は、あまり、天ぷらを食べる気が起きなかった。朝食に、湯豆腐が出たからだった。特別に作られた木の桶に湯豆腐が入っていて、それが珍しかったせいもあってか、いつもは、オレンジ・ジュースを飲むだけの私は、ご飯と一緒に湯豆腐を全部、食べてしまった。まだ、それほど、お腹が空いていない≫(『京都俵屋旅館』)
 
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