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恋愛自由自在62

时间: 2020-09-13    进入日语论坛
核心提示:カヨコちゃんは不倫の恋の道を一直線 しかし、そうはいっても、二年間というもの、まったく男のコとつき合わない、というわけに
(单词翻译:双击或拖选)
 カヨコちゃんは不倫の恋の道を一直線
 
 しかし、そうはいっても、二年間というもの、まったく男のコとつき合わない、というわけにもいかず、やっぱり、学内の男のコとつき合っていたわけです。なぜか「デンマーク体操部」というクラブに入ってしまい、そこで知り合った少年。
 ところが、この男のコが、なんと髪の毛が刈り上げ体質で、ニューウェーブ気分たっぷりの逆噴射少年。おまけにナント、中学までは慶応普通部に通っていた、というカワリダネ中の変わり種だったんです。成績が悪くて、慶応の高等部へあがれそうもないから、玉川にきたのが真相なのですが、それでも、カヨコちゃん、
「玉川行っても、ネは慶応」
 なんてのを捜し出すあたりは、執念というか、サスガです。
 彼は一年先輩なんだけれども、カヨコちゃんは二年で卒業、もともと、
「不本意ながらもおつき合い」
 という彼との関係でしたから、大手町にある「三井物産」に就職が内定すると、
「今度こそイイ男を見つけよう」
 という大志を抱くようになりました。さて、さて、四月になっても、彼はまだ、玉川大の四年生をやってらっしゃるわけですが、カヨコちゃんは、いまや、玉川とは違う「ブランド大学」を出た男の人がいっぱいいるはずの「一流企業」に入ったのですから、闘志はメラメラ、もう逆噴射少年の影がうすーくなってくるわけですよ。
 ところが、ここでもまた、「期待過多」の天罰が下っちゃいます。結局、若い男のコなんて、みーんな他の部署に派遣されちゃってて、本社にいるのはオジサンとか、たまに若いのがいても優秀でもなんでもない、インポ系の男のコたちばかりなんですね。ここで、すでにガックリきちゃう。
 あいかわらずの玉川大四年生とセックスして失意をまぎらわせる日々が、しばらく続くわけですね。で、そうしてるうちに、オタフク風邪にかかったように、職場の上司、三五歳、妻子持ち、田園都市線沿線に3LDKのマンションあり、というオジサンと深い関係になってしまいました。
「三井物産」には、チーム・リーダー制というのがありまして、ま、「主任」くらいの意味なんですが、女のコの上司に、このリーダーがあたるわけです。リーダーですから、残業やなんかもやって、そんなことしてるうちに、だんだん仲良くなっちゃって、ある日、
「仕事が長びいちゃったね。遅くなったから、どこかへ食事に行こうか」
 とかいって、カヨコちゃんが連れて行かれたのが、赤坂だったのであります。これは、感動、なわけですよ。いまだに「クリスチーヌ」の洋服を着て、「ミハマ」の靴をはいて、
「ボーナスが入る一か月前くらいに、UCカードの�ボーナス一括払い�で、銀座の『シップス・レディース』のお洋服を二着くらい買おう」
 と考えているニュー銀としては、感激なわけです。もっとも、チーム・リーダーのほうは、それなりに、カヨコちゃんがトイレへ行ってるスキに会計をすませて、
「領収証、ください」
 とかいって、社用の経費でオトそう、なんて考えてるわけなんですけども。
 それはともかく、カヨコちゃんは、オジサンに連れてってもらった赤坂でお食事、という夢に大コーフンしちゃって、思わず、そのまま、ホテル「シャンティ赤坂」へ直行してしまいました。で、確かにセックスしてみると、いつもの玉川四年少年が一〇分しかかからないところが、そこはソレ、オジサンですから、
「インサート後三五分間持続」
 という芸当を見せつけられて、いい、すごい、と、喜んじゃうことになります。もちろん、オジサンらしくグリグリちゃんも忘れません。
 次の日、会社に行くと、彼は、ちゃんと、ナニゴトもなかったような顔をしてお仕事をしている。カヨコちゃんは、そういう姿を見て、よけいに、
「イケナイ、イケナイ」
 と思いながらも、のめり込んでいき、そのプロセスで、玉川四年少年はどっかにうっちゃってしまいます。
 もう、カヨコちゃんの勢いは、とどまるところを知らないですね。こういうパワーというのは、えてして、短大時代、高校時代に、大したこともなくすごしてきちゃった、というコに、ありがちなんですね。
 それからもどんどん進行していって、とうとう来るべきときがやってきます。あるとき、リーダーが、海外出張に出かけることになり、出発の前日から、リーダーは成田へ行くために会社の近くにホテルをとります。
 カヨコちゃんは、リーダーを見送るために、出発日はお休みをとって、前の晩は、リーダーと一緒に「パレスホテル」の一室ですごすわけですね。翌日、リーダーとカヨコちゃんは、会社のまわしたハイヤーに乗って成田まで行くんですが、リーダーが、
「ハイヤーでそのまま家へお帰んなさい」
 と、ウカツにもいってしまうんですよ。一週間くらいたって、そのハイヤーの伝票が、経理部のハイミスのところへまわってきます。チェックしてみると、当然のことながら、送り迎えした住所が、リーダーの住んでるところとくい違ってるわけですよ。
「これはどーゆーことなの」
 とハイミスおばさんがハイヤーの運転手さんにきいたりして、チーム・リーダーとカヨコちゃんのつき合いが明るみに出ちゃいます。
「あんなにマジメなコが、エーッ!」
 てな具合で、これはもう、カヨコちゃんは非常に会社に居づらくなってしまいます。リーダーはリーダーで、ポーン、と福岡支店に飛ばされますし、カヨコちゃんはカヨコちゃんで、会社を辞めるしかなくなっちゃうわけなんです。
「ハデに遊びたい、モテたい」
 と思っていた素朴な乙女心も、女子高、短大、会社と進む数年間のうちに、ウッ屈したエネルギーになり、それが爆発したのが、単なる、「オフィスラブ、不倫の恋」という寂しい形だった、というのが情けないですね。そのときになったら、もういつかの玉川四年少年も、どこ行ったかわからないし、頼みのチーム・リーダーも九州に飛んでっちゃった。会社は辞めなくちゃならなくなって、どうしようもない。ニュー銀は、オフィスラブに、細心の注意を払わないと、こういう悲惨な結果をまねきます。
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