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恋愛自由自在63

时间: 2020-09-13    进入日语论坛
核心提示:新宿派は歌舞伎町の甘い生活へ転落〓 ニュートラ新宿派は、最も素朴なケースといえますね。このテの女のコは、どこにでもいます
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 新宿派は歌舞伎町の甘い生活へ転落〓
 
 ニュートラ新宿派は、最も素朴なケースといえますね。このテの女のコは、どこにでもいます。「〇〇女子商業高校」とか、普通科の高校でも進学クラスじゃなくて「就職クラス」に行ってるような女のコたちですね。
 まあ、テキトーに遊んでたりするんですけど、行ってるお店は、やっぱり、新宿が中心になりますね。GBラビッツとかB&Bに通いつめて、どう転んだって、せいぜい、「ラジオ・シティ」くらいです。そういうコは、高校卒業、あるいは短大を出てから就職しても、初めのうちは、同じようなお店へ行って遊んでいます。
 ニュートラ渋谷派が主として大学生、ニュートラ銀座派が主にOLだとすると、これに対して、ニュートラ新宿派というのは、大学生とOLの混合集団だということができます。
 どこにでもいそうな女のコのグループなんですが、それだけに、その「転落」の道筋は、ハタで見ていて背スジが寒くなるような思いがします。ここでは、「都立池袋商業高校」を卒業して、新宿にある「伊勢丹《いせたん》デパート」に入ったミカちゃんのケースを、追ってみることにしましょう。
「伊勢丹」は水曜日の定休の他に、もう一日、両方で週に二回のお休みがあります。結構、自分の自由になる時間がとれるんですよ。
 それに、残業もそれほどないですから、平日で毎日、六時半過ぎにはお勤めから解放されることになります。
 新宿という「地の利」を十分に生かし、あいかわらず「ラジオ・シティ」あたりへお出かけして、そのへんにいる、ちょっと年上、くらいの男のコと遊んだりしています。
 ところが、デパートガール全体についていえることですが、現場の販売員をやっていると、ずっと立ちっぱなしですから、休憩時間とか、お昼休みとかっていうと、どうしても、外のお店へ行ってお茶をしたくなるわけです。社員食堂はまずいし、控え室でちょっとタバコを一服、と思っても、すごく狭いんですよね。だから、毎日デパートから出て、近くの喫茶店にお出かけすることになっちゃうんです。
 お昼ごはんもまあ、新宿ですから、一回に一〇〇〇円近くはかかる。それと、休憩時間に、サ店でお茶するのも三〇〇円はかかりますよね。毎日毎日なんですから、これが結構バカにならない出費になるわけです。
 たとえば、お給料が一〇万円として、社内預金とか財形貯畜とか、あらかじめ引かれるスタイルのやつがあるでしょ、それが一万五〇〇〇円とか二万円。それに、こういう女のコの家庭というのは、兄弟が三人とか四人とか、いっぱいいる場合が多いですし、お父さんの稼ぎも、あんまり大したことないケースが多いですから、おうちに三万円くらいは、最低、入れなきゃいけません。で、毎日の出費が一三〇〇円として、一か月二〇日間で、二万六〇〇〇円が、自動的に出ていってしまうんですよ。差し引きするといくらですか? 七万円以上が最初からないみたいなもんですよ。これは大変ですね。
 お金がなくなってくると、お洋服が買えないし、ディスコへ行ってパァッとやることもできないわけですね。
 年上の男の人とつき合って、全部払わせる方法もあるにはあるんですが、デパートのフロア主任とかっていうと、新入りの女のコとか、化粧品やファッションメーカーからの派遣店員の女のコを専門に、
「ひと月にひとり、新しいコとやる」
 という人間ですよね。ミカちゃんの周りにいる男っていうと、そんなのしかいないわけですから、とてもステディーとして、ずうっとつき合うっていうタイプはいないんですね。
 と、ある日、先輩の女子社員が話しかけてくるわけです。
「お金が足りないわねぇ、あなたも大変でしょう? ねぇ、あなたも、どお? こーゆーのは」
 とかいって、紹介されたのは、「地の利」を生かした「歌舞伎町」にある「早朝ソープランド」や「マッサージ・パーラー」でした。先輩も、自分だけやってる、という後ろめたさから解放されようと思って、しきりと人に勧めるわけです。
 ミカちゃんは、もともとそういう素質があったらしく、なんのためらいもなく、この先輩の引きで、早朝ソープランドに勤めることになりました。
 デパートは開店が一〇時、朝は九時四五分までに入ればいいから、七時半からやっている早朝ソープランドで毎朝「ひと汗かいて」そのうえ、「アワだらけになって」きれいになり、髪の毛もそこでブロウしてから出勤できる。一石二鳥だ。なんていう風に計算するんですよ。
「夜、ディスコで遊んで疲れて帰って、そのまま寝ちゃっても、早朝ソープランドの勤め先で、ちゃんとシャワーを浴びて、身仕度《みじたく》をして出勤できるから便利だわ」
 とかいうことまで、考えに入っているわけなんです。
 で、週に三日くらい、早朝ソープランドをやり始めるんですが、これがもう、バカスカもうかるんですよね。「こりゃモッタイナイ」ということで、週に二日は、夜のマッサージ・パーラーのアルバイトまで始めちゃうんです。
 そうすると、デパートのお給料の七、八倍の収入が、お給料とは別に入ってくるようになっちゃいますから、
「もう、デパートの店員なんて、バカバカしくてやってらんないわ」
 ってことになります。ミカちゃんは、クリスマスのボーナスをもらった時点で、めでたく「伊勢丹」を退職しちゃったわけです。
 今度は、本チャンで、そういった「夜のお仕事」に就くことになったわけですが、当のミカちゃんには、それが�本チャン�の仕事だという意識がありません。事実、その他に何もやってないんですから、本チャンでやってるとしかいいようがないはずなのに、
「職業は、なに?」
「エー、私、アルバイトぉ」
 とか答えますね。まるで「本チャン意識」がない。子供を育てるため、とかの理由で、スッポリとソープランドにひたってる人なんかだと、結構ソープランド嬢という職業にプライド持ってたりもするんですが、ミカちゃんみたいな場合は、ほとんどなにげでソープランド勤めしてるわけだから、やってることはプロでも、頭のなかはズブのアマチュアなんです。
 ところが、そのわりには、めちゃくちゃお金が入ってくるんですよね。月に百万円くらいは、ゆうに稼いでしまうんです。
 ここまでくると、新宿のディスコへ繰り出しても、何かもの足りないわけです。いまイチ、「ラジオ・シティ」のムードには乗り切れなくなってるんです。体のほうが。
 そのとき、またしても先輩ソープランド嬢が、誘ってくれるんですね。
「どお? あなたも行ってみる?」
 つって連れて行かれたのが、「レディース・クラブ愛」なわけですね。このお店は、新宿でナンバーワンの「ホストクラブ」として有名です。
 こーゆーお店では「一本四〇万円」なんていうボトルが、平気で置いてある。夜の一二時に開店して、朝までやってるから、ミカちゃんのスケジュールにもピッタリですし、「角川博」みたいな顔をしたホストがいっぱいいて、なかなかに華やいだその雰囲気も、気に入ってしまいます。
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