前項でのべたような女房の愚痴、説教をわれわれ亭主はいかにして防御することができるか。われわれは襟をただしてルリイ先生のお話をききましょう。
小生「では先生。日本の幾十万という悩める良人たちのためにも、先生の新年のプレゼントとして、この防御方法を伝授して頂きたいものです」
ルリイ先生「わかりました。この戦法は、ちょうど結核にたいするストレプトマイシンと同じような働きをするものでえす。現代医学の知恵者たちは、かの偉大な抗生物質の発見をもってしても、結核を世界から断絶することのデケないことを知っていまあす。ストレプトマイシンは結核を断絶しません。ただ抑えるだけのこと。それと同じように、あなたたち男性もオクさんの心から愚痴、お説教をなくすこと期待してはいけないね。わたしの教える方法も被害をできるだけ少なくすることだけのこと」図表でかくと、
言われるまでもなく、われわれは自分の経験から、女房に弁解したり、怒鳴りかえせばかえすほど、彼女たちがマクシたてることを知っています。腕力などに訴えれば——女房というものは、男が考える以上に男性の腕力には平気なのです。
最も拙劣な戦法は「出テイケ!」などとわめくことである。女房が出ていった場合、結局、炊事、洗濯などの点から申しましても、損をするのは亭主族であるということをキモに銘じて頂きたい。