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ぐうたら愛情学115

时间: 2020-10-10    进入日语论坛
核心提示:男にとって愛とは 女は港であり、男は船。傷ついた時だけ戻って傷が修理されれば港を棄てて海に出ていく。女は人生でこの男のあ
(单词翻译:双击或拖选)
 男にとって愛とは……
 
 女は港であり、男は船。傷ついた時だけ戻って傷が修理されれば港を棄てて海に出ていく。女は人生でこの男のあとをついていけば不幸になるとわかっていても、やはり黄昏のながい道をトボトボとついていく。
 そう私が書けば、あなたたちは不愉快でしょう。私だってあなたたち女性に悦んでいただくためには、進歩的文化人や自称ヒューマニストのように、男女の愛を「港」と「船」との関係ではなく、いっしょに海にのり出す一隻の船に一組の男女が同格の関係で乗りくむことであり、その関係はつねに社会意識にめざめた「前むきの姿勢」でなければならぬなどと言ったほうがよいぐらいは知っています。しかし私はこうした考えの十分の三ぐらいは承認しても、十分の七ぐらいには反発を感じます。こうした発言のなかには人間不在の偽善があるからです。進歩的とか近代性とかいう美名にかくれて、男女の愛の哀しさや深さをごまかしている軽薄さがひそんでいるからです。私は彼等に、本気でお前さんたちは愛というものをそう軽々しく扱えるのか、と開きなおりたい気持にかられます。
 私が、そういう自称ヒューマニストや文化人諸氏に開きなおるのは、愛の世界では男と女とはまったく異種族だという長い間にできあがった考えが根底にあるからです。愛の世界では男と女とは同じ面貌をかぶっていますが、その発想も心理も本能も根本的にちがうという考えがあるからです。このちがった者同士は正直に言って、どこまで互いを理解しあえるのか、私は疑問にさえ思っている。おたがい理解しあえぬと思われるこの男女を軽々しく一つの船に乗せて、前むきの姿勢で進めなどという軽薄な愛の理論はたいていの場合、身上相談専門の女史か、異性を傷つけ、自分も傷ついている愛を経験したことのない学者先生ぐらいが口に出すのであって、多少とも小説を書いた作家なら決して口にだして言わないでしょう。
 愛の世界で、女は愛に生きぬきます。私はどんな女でも最後まで愛を信じているのではないかと思う。なぜなら女性というものは愛以外の仕事はすべて本職ではないからです。たまさか、愛以外のことを本職にしている女性もいますが、もし彼女が誰かを愛したならば、この本職はたちまち副業に変るでしょう。その愛が恋人にたいする愛、夫にたいする愛、子供にたいする母性愛であれ、それはどうでもよい。女はこれら愛の対象をぬきにして、何かをやれるとは私には絶対に思えない。もしそういう女がいるとしても私はその時、彼女の顔や表情にある欠如のみにくさと哀しさとを感じます。その欠如のみにくさとは恋人でありえなかった哀しさ、妻でありえなかった哀しさ、母でありえなかった哀しさ——つまり愛したり、愛されたりしえなかった女の欠如のみにくさと哀しさです。よく「仕事しか愛さないわ」などという女性がいますが、あれがたんなる彼女たちのコンプレックスの裏がえしか、虚栄的強がりであるぐらいは、私などよりあなたたち女性のほうが炯眼《けいがん》によく見ぬいていらっしゃるでしょう。
 ところがふしぎなことに、男の場合は誰かを愛したり、誰かに愛されたりしなくても、その顔にこの欠如のみにくさや哀しさはほとんど現われません。恋人や妻がいなくても、仕事や運命と一人で闘っている男には、男の臭いがしますが、恋人であれ、子供であれ愛する対象をどこかに持たぬ女には、女の匂いがしないのは一体なぜか。これを考えていただきたい。
 それは女が愛を本職として生き、他のものはすべて副業なのにたいし、われわれ男にとっては愛欲は一生をかける本職ではなく、一時的な副業にすぎないからです。言いかえれば男にとって女にたいする愛は人生の三十パーセントの価値しかありません。愛の世界では男はまことにやくざで、落第生なのです。
 男はそれでは一体なにか。男は運命や自分の外部の世界を征服することしか考えていない存在です。だから男は恒久的《こうきゆうてき》愛の対象などが横にいなくても美しい顔をもっています。たとえば画家の岡本太郎さんの顔は男の臭いがあふれていますが、岡本さんは独身です。男が男の臭いがするのは、彼が父親のときでも恋人といっしょのときでもなく、自分の仕事にうちこんでいるときだけだとは、あなたたち女性がよく言う言葉ではありませんか。
 こうした愛の世界では、やくざな男は、運命に傷ついた体をいやすときだけ、港に戻ります。彼はそのときだけ港というものにいつまでも停泊したい気になりますが、ペンキを塗りかえ、破損した箇所をおだやかな港で修理されれば、ふたたび、海にむかって自分以外の世界にむかって、出ていこうとする。出ていかざるをえないのです。
 港である女にはそれがわからない。たいていの港はなぜ自分が修理した船が、黄昏、自分を棄ててふたたび灯をともして出航するのかわからない。ここに男と女のどうにもならぬ裂け目があるのです。女は心の底では男という船がいつも自分という港のなかに停泊していることを望んでいる。しかしそれが不可能と知ったときでさえも、港はいつもこう寂しく呟《つぶや》く。
「いつかは、あの人は自分のところに戻ってくるわ。あの船は傷ついてこの港に戻ってくるわ」
 この夢が女という港の生き甲斐になります。私はウソを言っているのではない。あなたたち女性が胸に手をあてて考えられれば、このせつない夢には必ず思い当られるはずだ。
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