さて、民よ。かねてより懸案の一件、女王様の「子宮筋腫」問題に、また新たな展開が訪れた。
じつは救急病院で「子宮摘出」手術を勧められて以来、女王様は悩みに悩んで、病院に行っていなかったのである。べつに子宮に未練があるわけではないが、あまりにも多くの民草から、「女王、子宮を取ったら後悔しますぞ!」との声が寄せられたため、考え込んでしまったのだ。
子宮を取っても卵巣を残せばホルモンバランスも崩れず副作用も少ない、と、女王様を診察したN病院の医師は言った。が、それに対する反論の声も多く、インターネットのサイトなどで調べてみたら苦痛に満ちた体験談などもあまた目につき、「どないせぇっちゅうねん!」てな気分になってしまった次第である。まぁ、正直、忙しさにかまけて、ついつい先送りにしていたふしもなきにしもあらず……つーか、それが大きな理由かな。すまん。
で、あれから数カ月、生理も順調だし激痛というほどの生理痛もなく、なんとなく平穏無事に過ごしていたのだったが、ここにいたって異変が起きた。というのも、女王様、知人に勧められて気功なんてぇものを受けてしまったのである。
諸君は「気功」を信じているか。女王様はあまり信じていない。以前、何かのテレビ番組で「気功で人を吹っ飛ばす」実演をやっているのを見て、「あり得ねぇ〜!」と爆笑した記憶がある。オカルト、占い、超常現象などに対して常に冷笑的な立場を取っている女王様なのである。
しかしまぁ、今回は知人の勧めでもあるし、べつに気功を受けたからといって失うものがあるわけでもなし、などと考えて、気軽に受けてしまったのだ。もしもこれで子宮筋腫が治ったらラッキー、くらいの気持ちはあったかもしれない。ということは、心の底でちょっぴり信じていた、ということになるのであろう。「半信半疑」というよりは「三信七疑」ほどの心境であった、と、想像していただきたい。
で、受けたわけですよ、気功を。ベッドに横たわって三十分ほど、「気」を送られたりしたわけ。終わって感想を訊かれた時も「うーん、心なしか肩凝りがスッキリしたような……」という程度の非常にあやふやな返答しかできなかった。が、驚いたのは、その翌朝のことである!
な、な、なんと! 生理が十日も早く来てしまったのだ! そのうえ、いつもより五割増しくらいの出血量だ。「多い日も安心」と謳っている特大ナプキンが全然安心じゃないくらい。挙句の果てに、何十年かぶりに「スカートを汚す」という中学生みたいな失態を演じてしまった女王様は我と我が身が恐ろしく、「あひぃ〜っ!」と悲鳴を上げつつ深夜に気功の先生に電話をかけてしまったのだった。すると……。
「それはね、気功が効いているんですよ」
「そうですか? かえって悪化してるんじゃ? これ、生理じゃなくて不正出血なのでは???」
「いや、大丈夫。以前、気功を受けた直後に筋腫がポロンと出てきたケースもありますよ」
ホントかよーっ、と、心の中で叫んだ女王様であったが、以下次号!