今さらの話題で恐縮なのだが、民草の皆様は、どんな初夢をご覧になったのであろうか。
というのも、女王様はですね、元旦早々から正々堂々と(って、誰に対して?)「セックスの夢」など見てしまったのであった。我ながら、こんなに分かりやすく欲望に忠実な女だとは思わなかった。「初夢でセックス」か……いいんだか、悪いんだか。
大晦日、女王様はかなりしつこい風邪にやられて、早々に布団に入って寝てしまったのだった。で、熱に浮かされたのかどうか知らんが(そう思いたい……)、夢の中で何やら色っぽい展開になってしまい、まぁ、女王様も満更ではない気分で事に及んだ次第であるが、その時……!
行為の最中に、女王様はハッと気づいたのである。
「いけない! あたし、最近、年のせいで膣が緩んでるかもしれないから、頑張って締めなきゃ!」
なんと、真面目な心がけではないか。夢の中でまで、そんなこと気にしてる自分が、いじらしくって涙が出そうだよ。
で、女王様、一生懸命に気張って気張って、こめかみに青筋立ててぎゅうぎゅうと膣を締めているところで、電話の音に起こされた。そして、目が覚めた時、布団の中で本当に「ふんっ!」と鼻息荒く膣を締めている自分を発見して、心の底から虚しくなったのであった。
正月早々、布団の中でひとりで膣を締めてる私って……もしかして、相当イタい女じゃないかしら? しかも、これが初夢かよ。べつに富士山やら鷹やら茄子やらが登場しなくてもいいけど、何かもうちょっとマシな初夢は見れんのか。ああ、悔しい。こんなんだから私は、皆から「やーい、男日照り」とか言われてバカにされるんだわっ!
「決めたわ! 私、今年こそ素敵な彼氏を見つける!」
思い詰めた口調で、夫に向かって新年の抱負を述べたところ、
「ふふん」
心の底からどうでもよさそうな鼻先笑いで返されてしまった。悔しい。本っ当に、悔しい──っ!!!
憤懣やるかたない女王様は再び布団に潜り込み、二度寝してすっきりと気分をリフレッシュしたのであるが、どうやら初夢の影響は深く心の底に沈潜して女王様を無意識レベルで操ろうとしたらしい。というのも女王様は先日、通りすがりにふらりと寄った下着屋で、狂ったように高級輸入下着を買い込んでしまったのであった。価格的にもデザイン的にも、とてもじゃないが日常的に身につける類の下着ではない。そう、俗に言う「勝負下着」ってヤツよ。勝負する相手もいないのに、まさに宝の持ち腐れ。つーか、オトコもいないくせに勝負下着に十数万円も遣う女って、ある意味、布団の中でひとりで膣を締めてるよりもイタい女じゃないかしらーっ!?
この話をしたら、友人のゲイがこう言った。
「あんたね、ウン万円の高級下着つけてて彼氏のいない女より、スーパーで買った安物のパンツ穿いてても彼氏のいる女のほうが、結局は勝ち組なのよ……」
いや、まったく、そのとおり。ぐうの音も出ぬほど正しい意見である。
この連載タイトル、「負け組の女王」に変えようかなぁ〜。