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創造の人生32

时间: 2020-10-28    进入日语论坛
核心提示:仮契約 話が前後するが、井深と盛田がバルコム貿易を相手に社運を賭けた争いを演じていた頃、ニューヨークでは山田志道がWE社
(单词翻译:双击或拖选)
 仮契約
 
 話が前後するが、井深と盛田がバルコム貿易を相手に社運を賭けた争いを演じていた頃、ニューヨークでは山田志道がWE社に足繁く通い、トランジスタの特許取得のための交渉をすすめていた。しかし、最初WE社は山田の話にあまり関心を示さなかった。名もない小さな企業の代理人のいうことなど信じられないと思っていたのだ。
 山田はそれにもめげず「東通工は可能性を秘めた魅力のある会社。将来、必ず伸びると思います」と、根気よく説得を続けた。その熱意にほだされたのかWE社の特許担当部長は「キミの言葉を信じ、一応検討してみよう」と約束してくれた。東通工が独力でテープコーダを開発したことに興味をもったのである。そして山田がもち込んだ資料をもとに、東通工の技術力、実績、財務内容など経営内容全般についてひそかに調査をはじめた。その結果、山田のいう通り、東通工は非常にユニークな存在であることを知った。
「あなたの会社に特許を許諾する用意がある。話合いによって、貴社をライセンシーにしてもよいと考えているので、誰か代表者を派遣してほしい」という内容のエアメールが東通工に送られてきたのは昭和二十八年初夏のことであった。
 これを見た井深も盛田も手放しで喜んだ。しかし、契約をまとめるには外貨割当てが必要になる。東通工は幹部の一人を通産省に差し向け、それとなく通産当局の意向を打診してみた。応待に出た担当官は「とんでもない」と頭ごなしに拒絶した。真空管をつくっているならまだしも、たかだかテープレコーダであてた程度のちっぽけな企業に、貴重な外貨を割り当てるわけにはいかんというのである。それは表向きの理由であって、その背景にはテープレコーダの特許公開問題で通産当局の意向を無視していることに対するしっぺ返しのような気がしないでもなかった。
 そんな事情があるとは知らないWE社は「当方は契約を取り交す準備が整っている。貴社の代表者はいつこちらに来るのか、至急連絡してほしい」と催促してきた。
 通産省のすげない態度に困惑していた井深は、この手紙で腹を決めた。「一応、仮契約だけして、通産のOKが出たら正式にサインすればいいじゃないか」と決断し、交渉の全権を盛田に託した。
 盛田にとってはじめての海外旅行である。三ヵ月の予定だった。井深に劣らず好奇心の旺盛な盛田は、この機会に先進国の実情を自分の目でシッカリ見ておきたいと考えた。そこでアメリカでの所用をすませたあと、ヨーロッパまで足を伸ばす計画を立てていた。
 ところが、アメリカについた盛田は自信を失いかけた。何もかもが大きく、広く、多様だったからである。「こんな国を相手に戦争をしたことが、そもそも間違いのもとだった」と、腹の底から感じた。
 盛田がニューヨークで会った最初の日本人は、井深とむかし馴染みのハム仲間であった谷川譲である。当時、谷川は山下新日本汽船のニューヨーク支店に勤務しており、現地に着いたら訪ねるようにいわれていたのだ。すっかりアメリカ人になりきっている山田志道と違い、着任間もない谷川は別のアメリカ観をもっているかもしれない。それを参考に旅をすれば視野が拡がるだろうという井深の配慮でもあった。谷川に会った盛田は、忌憚のない意見を聞いてみようと思った。
「谷川さん、WE社のような大企業が、われわれのようなちっぽけなところをまともに相手にしてくれるだろうか……」
 自分の胸のなかにあるモヤモヤした気持ちが、つい言葉に出たのかもしれない。谷川は、諭すように盛田を叱った。
「盛田君、それはキミの思いすごしだよ。それにアメリカ人は、そんなことは全然問題にしない。これはおもしろいと思ったら、すぐ話に乗ってくる。その辺は日本人とまるで違うね。だから向こうの人に会ったら、自分の考えてることを率直にぶつけるといい。それでダメなら、最初から話はなかったものと思えばいいんじゃないかな」
 指定された当日、盛田は山田志道と一緒にWE社を訪ねた。話合いのテーブルに着くと、谷川にいわれた通り、東通工のやってきたこと、実情、問題点など正直に話した。応待にあたったWE社の担当部長も、ときどき鋭い質問をぶつけるが、熱心に耳を傾ける姿勢は終始一貫変わらなかった。やがて話合いが終わると、盛田は担当部長から分厚いファイルを渡された。手に取って見ると正式の契約書が入っている。途端に盛田は肩の荷が一度におりたような気がした。しかし、これですべてが終わったわけではない。通産省の承認というやっかいな問題が残っている。そこで盛田は、井深との打合わせ通り、「通産のOKが出たら正式なものとする」という条件をつけて契約書にサインした。
 次の日、盛田はWE社のトランジスタ工場を見学させてもらった。日本人がこの工場に足を踏み入れたのはこれが最初であった。その帰り際、量産をはじめている接合型トランジスタと関連部品、それとベル研がまとめた有名な「トランジスタ・テクノロジー」というテキストをみやげにもらい、意気揚々とWE社をあとにした。サインを交した契約書は、その日のうちにエアメールで東京に送った。こうして渡米の目的を果たした盛田は、次なる視察地であるヨーロッパに向けて旅立った。
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