国防婦人会とこの主婦たちという女性たちとの交渉——これだってやっぱり私の女性体験である。それ以上のヘンなことを期待しながら本文を読んだ読者にはお気の毒でした。
によって私は自分が正義づらをすることをいっさいしないことに決心した。少なくとも自分を正しいと思って他を裁く時、私は国防婦人会のオバさん、お虎婆さんと手をくんだ主婦たちと同じ心理動機が働いていないか、そう反省してみることにしているのである。
諸君。この本の読者諸君なら私の言うことはわかってくれるだろうな。何がイヤだといったって、この世には自分は正しいと思いこんでいる奴ほど鼻持ちならぬものはいないわいな。そういうタグいが、いわゆる文化人の中に、主婦の中に、PTAのなかに、よう、いるやないか。われわれは少なくとも偽善者でないように、おたがい、努めようじゃないか。