日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

ぐうたら交友録13

时间: 2020-10-31    进入日语论坛
核心提示:某月某日 酔った梅崎さん、某大衆流行作家の家に電話をかけ、お宅はかせいだ金を壁のなかか壺の中に入れてかくしているのですか
(单词翻译:双击或拖选)
 某月某日
 
 酔った梅崎さん、某大衆流行作家の家に電話をかけ、お宅はかせいだ金を壁のなかか壺の中に入れてかくしているのですかと、奥さんに長々とたずねたという話をS氏から聞く。
 某月某日
 近所の酒屋(うちで買う酒屋とはちがう酒屋)から突然、小僧が酒瓶一本と手紙とをたずさえて来る。手紙を開くと「私はあなたのファンの新劇女優ですが、御近所まで用事でまいりましたついでに、失礼とは存じましたが御挨拶がわりにお届けさせて頂きました。これからもますます、いいお仕事をして下さい」と書いてある。このようなファンの手紙をもらったのは初めてなので、大|悦《よろこ》びで家人に刺身を買いにやらせ、庭に打ち水などして縁側で一杯飲もうと、贈られた酒の紙をはぐと、何と酒にはあらずして真黒な醤油瓶である。あまりのことに憤激し、配達してきた酒屋に怒鳴りこむと、主人恐縮して「ある方から頼まれましたが、その人の名を言うのはカンベンして下さい」としきりにあやまる。ブツブツ怒って家に戻ると梅崎さんから電話があり、素知らぬ声で、
「あのね、君の家で今日、何か妙なことありましたか」
 としきりにたずねてくる。直観的に、梅崎さんの仕業と感じ、わざと不機嫌に「何もありませんよ」と答えれば、
「そうかな、そうかなア」
 と首をひねっている様子。あまりの馬鹿馬鹿しさに「あなたでしょう」と言うと、
「何を君、言うか。ぼくじゃない。ぼくじゃない」
 そのままガチャリと電話を切ってしまった。
 某月某日
 梅崎さんから突然、河童が酒を飲んでいる絵を送ってくる。酔狂おもむくままに描いたのだそうで、なかなかウマいが、悪いことには自分の筆で横にわざわざ「三万二千円也」と代金まで書きくわえてあるのが頂けない。
 家人が折角、頂いたのですから表装しましょうと言い、駒場の表具師のところに持っていったが、夕刻、ションボリして帰宅したので、
「どうだった」
 とたずねると、溜息をつきながら、表具師の薬罐頭《やかんあたま》の親父がチラッと見ただけで、
「ふん、こんなもの、表装するだけ勿体《もつたい》ねえや」と言ったそうである。
 私の日記のなかには、この作家とのさまざまな思い出がまだまだ沢山、書きこまれているのだが、その三つ四つを手あたり次第に紹介しただけでも、読者は私の友人たちが梅崎さんに「懐かしくもヘンテコな兄貴」という感情を抱いた理由が少しはわかって頂けたであろう。だが誤解のないように言っておこう。この戦後派作家のなかでも最も小説家らしい小説家だった梅崎さんは、こうしたトボけた行為を友人や親しい後輩たちだけにはみせたが、その神経は実にセンサイで、胸の底には暗澹としたニヒリズムがベッタリくっついていたのである。小説家だった梅崎さんは人間の心の裏側には敏感すぎるほど敏感であったが、同時に自他をふくめた人間の俗物根性にぶつかると、猛然、意地悪く当る人だったのである。ある冬の日、ある文壇パーティの帰りに、彼とタクシーで銀座を通りかかった時、梅崎さんは流行作家たちのよく行くバーをみて、
「文士文士というが、結局は、あの連中、俗物さ。だからこんなバーで先生、先生とおだてられて悦んでいるんだ」
 とひとりでブツブツ呟いているのを私は耳にしたことがある。
 そのせいか梅崎さんには人見知りをするところが多く、多くの文士が集まる軽井沢などには絶対いかず、夏になると草ぶかい蓼科に住み、自らを「蓼科大王」と称し、自分の家を「蜘蛛の巣城」と呼んでいた。
 
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%