みんなからは『ほらふき男爵』と呼ばれておる。
今日は、南の島に行った時の話をしよう。
あの時は、大変じゃった。
何しろキバをむいたライオンに追いつめられ、すぐ後ろでは大口を開けたワニがわがはいにかみつこうとしていたのだからな。
絶体絶命(ぜったいぜつめい)とは、まさにこの事じゃ。
さすがのわがはいも、この時は死を覚悟(かくご)した。
そしてライオンが飛びかかってきた時、思わずクラクラッと足がふらついて尻もちをついてしまった。
だがわがはいは、無傷で助かったのじゃ。
なんとわがはいに飛びかかってきたライオンは、尻もちをついたわがはいを飛びこえて、反対側にいるワニの口に頭からスッポリと入ってしまったのじゃ。
わがはいはすぐに起きあがると、ライオンの首を切り落としてライオンを退治した。
そしてワニはライオンの頭がのどにつまってしまい、そのまま死んでしまったよ。
では、また次の機会に、別の話をしてやろうな。