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大きなスイカ

时间: 2017-12-26    进入日语论坛
核心提示: むかしむかし、あるところに、とても貧しいお人好しの男がいました。 小さな畑をたがやして、その日その日を暮らしていました
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 むかしむかし、あるところに、とても貧しいお人好しの男がいました。
 小さな畑をたがやして、その日その日を暮らしていました。
 
 春になったある日、男が畑をたがやしているとコウノトリが飛んできました。
「ああ、コウノトリが来る季節(きせつ)になったのか」
 空を見上げていると、どうしたことかコウノトリが下に落ちてきたのです。
 男がかけよってみると、片方の羽がおれています。
「かわいそうに、助けてやらなくては」
と、家に連れて帰りました。
 おれた羽を手当して、男は自分の子どものように世話をしてやりました。
 何日かたってやっと元気になったので、男はコウノトリを空へ飛ばしてやりました。
「元気でな!」
 男は手を振って、コウノトリが見えなくなるまで見送っていました。
 
 あくる年の春。
 男が畑をたがやしていると、コウノトリが飛んできました。
「もしかして、あのコウノトリでは?」
と、男が空を見上げていると、コウノトリが何かを落としました。
 ひろってみるとそれは、スイカのタネです。
 スイカのタネは、三粒ありました。
「はて? このタネを、まけというのかな?」
 男はスイカのタネを、畑にまきました。
 タネは芽(め)を出し、つるがのび、大きな花をさかせました。
 男が一生懸命世話をしたおかげで、スイカは大きくなりました。
 男は三つ取って家に持って帰りましたが、一人ではとても食ベきれません。
「そうだ、友だちをよんでこよう」
 男は、大勢の友だちをよんできました。
「立派なスイカだな」
 男はスイカを切ろうとしましたが、切れません。
 二つ目のスイカも、切れません。
 三つ目のスイカも、切れません。
「切らずに、ほうちょうでたたいたらどうだい」
「ああ、そうしてみよう」
 男は、思いっきり強くたたきました。
 するとスイカは、ポコンと割れました。
「あれっ!」
「まあ!」
「これは!」
 何とスイカには、金貨がいっぱいつまっていたのです。
 ほかの二つにも、金貨がつまっていました。
「さあ、みんなでわけよう」
 みんな貧しかったので、大喜びで金貨をもらいました。
 
 さて、近くにお金持ちの男が住んでいました。
 欲張りな男で、この事を聞くと畑へ行ってコウノトリをさがしました。
 いました。
 エサを食べています。
「しめた!」
 お金持ちは、そっと近よると、棒でコウノトリの足をなぐりつけました。
 コウノトリがたおれると連れて帰って傷の手当てをして、毎日世話をしました。
 やがてよくなったので、空へ飛ばしてやりました。
 
 あくる年の春になって、お金持ちは畑に行きました。
「今日は来ないか? 今日は来ないか?」
と、お金持ちは、毎日畑に行きました。
 待ちくたびれてイライラしているところへ、やっとコウノトリが飛んで来ました。
 コウノトリがタネを三つ落としたので、お金持ちはすぐに畑にまきました。
 まもなく芽が出て、つるがのび、花がさいて、大きなスイカになりました。
 お金持ちは、やっぱりお金持ちの友だちを大勢呼びました。
 そしてスイカをほうちょうでたたくと、ポカッと二つに割れましたが、中につまっていたのは金貨でなくて、なんとも大きなハチだったのです。
「ブーン!」
 たくさんの大きなハチたちはいっせいに飛び立つと、お金持ちやお金持ちの友だちにおそいかかりました。
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