「ポッターさんたちが、そう、わたしゃそう聞きました……」
「……そうそう、息子むすこのハリーがね……」
ダーズリー氏はハッと立ち止まった。恐怖きょうふが湧わき上がってきた。いったんはヒソヒソ声のする方を振り返って、何か言おうかと思ったが、待てよ、と考えなおした。
ダーズリー氏は猛もうスピードで道を横切り、オフィスに駆かけ戻るやいなや、秘ひ書しょに「誰も取り継ぐな」と命令し、ドアをピシャッと閉めて電話をひっつかみ、家の番号を回しはじめた。しかし、ダイヤルし終わらないうちに気が変わった。受じゅ話わ器きを置き、口くち髭ひげをなでながら、ダーズリー氏は考えた。
――まさか、自分はなんて愚おろかなんだ。ポッターなんて珍しい名前じゃない。ハリーという名の男の子がいるポッター家なんて、山ほどあるに違いない。考えてみりゃ、甥おいの名前がハリーだったかどうかさえ確かじゃない。一度も会ったこともないし、ハービーという名だったかもしれない。いやハロルドかも。こんなことで妻に心配をかけてもしょうがない。妹の話がチラッとでも出ると、あれはいつも取り乱す。無理もない。もし自分の妹があんなふうだったら……それにしても、いったいあのマントを着た連中は……。
“波特夫妇,不错,我正是听说—— ”
“—— 没错,他们的儿子,哈利—— ”
他突然停下脚步,恐惧万分。他回头朝窃窃私语的人群看了一眼,似乎想听他们说点什么,后来又改变了主意。
他冲到马路对面,回到办公室,厉声吩咐秘书不要打扰他,然后抓起话筒,刚要拨通家里的电话,临时又变了卦。他放下话筒,摸着胡须,琢磨起来..不,他太愚蠢了。波特并不是一个稀有的姓,肯定有许多人姓波特,而且有儿子叫哈利。想到这里,他甚至连自己的外甥是不是Ⅱq哈和]都拿不定了。他甚至没见过这孩子。说不定叫哈维,或者叫哈罗德。没有必要让太太烦心,只要一提起她妹妹,她总是心烦意乱。他并不责怪她—— 要是他自己有一个那样的妹妹呢..可不管怎么说,这群披斗篷的人..